「ガソリンに添加する清浄剤は使った方がいいです」。自動車メーカーのエンジン開発談
「シェルブランドを除くハイオクに清浄剤が入っていなかった」という件を受け、いろんなメーカーのエンジン開発担当者に清浄剤は使った方がいいか聞いてきた。結論から書くと「積極的に使うべき!」ということになります。そもそもエンジンは高負荷時や始動直後に微少ながら燃え残りのカーボンを主体とするPM(パティキュレーション)を出す。
それが燃焼室や排気バルブ&ポートなどに固着する。それを「デポジット」と呼ぶ。普通に使っていれば緩やかな性能低下に留まるため、あまり気にならないかもしれない。特に毎日一定の距離を乗っているような使い方をしていればデポジットの発生量少ない。10万kmくらいなら大きな問題にならないそうな。耐久テストなどはエンジン回しっぱなしのため溜まりにくい。
ところがチョイ乗りを繰り返すとデポジットは溜まってしまう。顕著なのが直噴エンジンのインジェクターだという。燃焼室内にあるため、汚れが付きやすいそうな。インジェクターに汚れが付くと体感出来るくらいのパワー差になるという(計測値だと明確な差が出る)。こういったデポジットを落とす効果を持つのがPEA(ポリエーテルアミン)入りの添加剤だ。
PEAそのものは建機メーカーで純正公認オイルを担当していたムスメから「添加剤を作れる技術を持ってる企業は世界に3社くらいしかない」と教えてもらった。ということでPEA入りの添加剤なら同じ性能を持つと考えていいだろう。問題は濃度。濃すぎても意味無し。ガソリンに適度な量を混ぜ、少し長めに使ったらいいと思う。燃料補給3回に1回とかでいい。
私が使っているのは『パーフェクトクリーンDX』。KUREのコラムを書いていることもあり本来なら定価やKUREの直営サイトの頒価で紹介すべきなんだろうけど、そういった商才や忖度できないためユーザーの立場になってネットでの流通価格を見たら最安値で1140円(送料掛かるためまとめ買いするといいです)。これを1年に1回、3本くらい連続で使えばいいだろう。
100Lに1本くらいで使うとリッター当たり11円。清浄剤効果を考えてレギュラー仕様にハイオクを入れると思えば同等だ。参考までに書いておくと、清浄剤効果を除きレギュラー仕様にハイオクを入れると性能落とす。御存知の通りハイオクの方が燃えにくいからだ。なかでもエンジン負荷小さい街中ではレギュラーの方が着火しやすいという。レギュラー仕様にはレギュラーを!
現在調査中なのが直噴エンジンのインレットバルブなど吸気系に付くデポジット。排気ガス、大半は大気に放出されるのだけれど、一部を「EGR」(排気ガス浄化のため酸素の少ない気体として使う)として吸気側に戻す。この時に付いたデポジットはポート噴射ならガソリン添加剤で落ちるが、筒内にインジェクター持つ直噴だと洗い流せない。どうしたら効率良く落とせるか?
もう少しお待ちください。
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