アメリカはすげぇ

ブッシュ大統領の一般教書演説(国の現状と今後の政策)の内容を見て「すげぇな!」と思った。「10年以内のガソリンの消費量を20%削減する」という目標はいい。けれど内訳がアメリカらしいのだ。「アルコールの混入で15%。燃費改善で5%」としている。つまりクルマの省燃費化より燃料の内容で石油依存率を低くしようとしているワケ。ワシントンに強い影響力を持つGMとフォードが、技術的なハードル高いハイブリッドや、収益率の低い小型車に主軸を移すのを嫌がったのだろう。

一方、ヨーロッパは既存の内燃機関の省燃費化に邁進している。絶対的な走行速度が高いため、ハイブリッドじゃ効果上がらす。そこでディーゼルと、スロットルロスの無いガソリン(追求すればディーゼルと同等の熱効率になります。BMWのバルブトロニックや、上で紹介したVWのTSIなど)で対応しようとしている模様。こちらも「高速巡航は絶対譲らないもんね!」という点で「すげぇ!」と思う。

我が国はどうか? 幸い政治3流。首相の施政方針演説で何を言っても、間違った流れなら実現しない。けれど企業は世界で勝負している。ヨーロッパでもアメリカでも競争力を維持しなくちゃならないのだ。自動車メーカーを見ると、ディーゼルについちゃ猛追中。2010年になればディーゼルでもトップになりそう。スロットルロスの無いガソリンエンジンだって基幹技術となる『直噴』と『可変バルブタイミング/リフト』は日本の得意技。ホンダの次世代VTECに試乗したが、やがて市販されるだろう。アメリカで進められるアルコール燃料対応など、技術レベルとしちゃ『梅』。むしろアルコール燃料の時代になれば、今より燃費の良いクルマが要求され日本車有利に。

その上でハイブリッドや燃料電池の技術も持っている。トヨタやホンダなどは、現在捨てている植物からアルコールを作る技術でも先行してます。日本の自動車メーカーにとって数少ない不安材料が「技術者不足」。不安なことに理数系の学部の人気は低迷してしまっている。これから大学受験の人はぜひ理数系を狙って欲しい! 大学で理数系の学部にいる人は、ぜひメーカーの技術者を目差して欲しい。企業も危機感を抱いているらしく、ここにきてイビデンやアイシンなど優良サプライヤーのTVコマーシャルが目立ち始めました。

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