車屋四六の四方山話/CX-60に試乗。欲しいクルマになった

昔は、V16や直列八気筒などがステイタスだったが、今や直列六気筒がステイタスになっているようだ。昔のコトワザに「論より証拠」と言うが、BMW・ベンツ・ジャガー・ローバーなど、六気筒・タテ置きがプレミアムと呼ばれるクラスに存在する。

そんなところを意識したのか、マツダの最上級SUVであるCX-60には、このタテ置き六気筒のディーゼルが存在する。しかもオーソドックスなFRというのも嬉しい。プレミアムカーの要素がそろっているのである

私のようなジジイが車に乗りはじめた頃は、世の中すべてFRだから懐かしいが、その真価は乗り味につきるだろう。だから懐かしさもあるが、前輪の切れ角を大きくとれるから、ズー体のわりには小回りが効くというのも大きなメリットだ。

なぜか日本ではディーゼルが毛嫌いされているが、ちかごろのディーゼルは静かで振動も感じなくなり、だまって乗せれば気がつく人は少ない。ディーゼルのメリットは何がなんでも燃費の良さに尽きるだろう。

CX-60の燃費は、WLTC=21km/ℓ。試乗で沼津を往復して都内も走った実走燃費は、18.6km/ℓだった。軽油は1ℓあたり40円ほど安いから、家計費負担はグンと減る。ちなみに私の三菱eK-Xスペース・ターボは軽自動車なのに、年間平均で14.9km/ℓだから、燃料代は、くやしいが、CX-60の方がはるかに安いということになる。

そのディーゼルは、3.3ℓ・OHCで256馬力だが、1500回転からの56.1kg-mという太いトルクが素晴らしい。で、発進ばかりでなく、何時でもアクセルONで力強い加速が得られる。しかも八速ATだから加減速が滑らかで、しかもトルコンレスで燃費が良い多板クラッチ方式…この方式は変速ショックが大きくなりがちだが、それをマツダの技術は上手にこなしている。

またiStopからの再始動時のショックも少ない。少ないといえば、ACCで、前車追従の反応が早くなったのも嬉しい。イライラしないで済むからだ。試乗車は、CX-60ハイブリッド・エクスクルーシブ・スポーツ、546万円。明るいパノラマサンルーフや、ヘッドアップディスプレイなど装備万端だから、割安感を感じた。

全幅1890㎜は、裏通りでは少々気を使う。扁平タイヤのわりには乗り心地が良いが、細かな凹凸を消化しきれていないのが残念。特にリアが敏感だが、すぐに日進月歩のサスのチューニング技術が解決するだろう。

走行中のヘッドアップディスプレイ/ACCで前車追従しながら

ちかごろのマツダの赤は、とてもキレイだ。ソールレッド・クリスタルメタリックと呼ぶらしい。輝くような赤には、高級感も備わっている。マツダの小さな車から、CX-60のような大型高級SUVにも似合っている。姿眺めて良し、走って良し、装備も良し、広い室内、マツダのプレミアムSUV、欲しい車の一台となった。<車屋四六>

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2 Responses to “車屋四六の四方山話/CX-60に試乗。欲しいクルマになった”

  1. 小嶋敏広 より:

    2004年式のゴルフとカローラに乗ってます。昨日、国沢さん推奨のネオチューンをカローラにしました。じつに良いです。施工後すぐに効果が分かりました。もっさりとした乗り心地がすっきりとして車が軽くなったようです。前車のフィットはベリーコンフォート仕様にしましたが、カローラにはスタンダード仕様がピッタリのようです。これでカローラを運転しても車酔いしなくてすみそうです。良かった良かった。

  2. エッカルト より:

    これしかない!という思い込みで試乗もそこそこに購入したCX-60、20000㎞ほど走りましたが心打ち震える感動と大笑いの毎日です。

    80ハリアー乗ってましたが(娘に譲ったので今もたまに乗ります)、よくできた素晴らしいクルマだと思うだけで、ハリアーについて熱く語ったりすることは全くない、優等生で出木杉君的なクルマですた。

    CX-60,語りだせば80時間くらい一人で語るます!
    夢とロマンが詰まったその生い立ちストーリーだけでも身震いするくらい自分で感動しちゃいます。中島みゆきの歌声が脳裏に響くというか。こういう熱いクルマ、我々庶民にも手の届く範囲ではそう多くないのでわ。

    経営者として、ある一面としては大失敗の藤原さんですが、違う一面では、このようなクルマを指向しブレずに強引ともいえるけれどもその強力なリーダーシップで完成に漕ぎつけたのは彼の功績であり、そこらへんはリスペクトに価する御仁だなと。

    国沢さん、恩讐を乗り越え、「欲しくなっちゃったよ」と一言伝えると言うストーリーがもしあれば、私は本当に泣きますよ。

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