液体水素+超伝導+燃料電池。日本の明日が急に見えてきた気持ちになりましたね!

今回の話、物理が解っている人ならタイトルを見ただけで「その手があったか!」と凄さが理解できることだろう。私もこの実験機材を見た瞬間「凄いことになりますね!」と思った。以下、説明したい。現象としては「マイナス253度以下になると電気抵抗がゼロになる」というもの。つまり電気を流しても抵抗(普通は熱)無くなるため、髪の毛の太さの電線に1万ボルト/10万アンペアだって流せる。

普通のモーターより圧倒的に静か!

つまり300馬力を出す場合、圧倒的に小さくて効率の良いモーターで済むワケ。夢のようなパワーユニットになります。なんで今まで使わなかったかと言えば、マイナス253度の環境を作るのが大変だからだ。マイナス253度って液体水素だけ。そんなことからもっと高い温度で超伝導現象が起きる素材を開発してきた。結果、今や196度の液体窒素で超伝導作り出せるところまで来た。

終着点は常温で超伝導になる物質なのだけれど、非常に難しくヒントさえ見つかっていない。だから超伝導という現象があるのは解っていても利用出来なかった(例外的にリニアモーターカーの浮上にマイナス269度で冷やす超伝導磁石を使っている)。ここまで読んで「液体水素を使う燃料電池なら全て解決出来ますね!」と思ったことだろう。そいつをトヨタが発表しましたね!

水素利用の効率をハイブリッド車のように2倍に出来る!

レースカーは液体水素を搭載し、車内で気体にしてエンジンに供給している。同じく液体水素で超伝導状態のモーターを作り出し、冷却に使った水素は気化させて燃料電池に送り込み発電する。その電気で超伝導モーターを稼働させれば今までより圧倒的に高い総合効率を実現することが出来るだろう。40kgの水素で450km走るトラックなら900km走れる可能性だって出てくる。

40kg分の液体水素タンクなど小さいし(800気圧水素の1.7倍)、1kgで30kmも走れるならランニングコストだって安く済む。24時間稼働しているような建設機械であれば燃料補給を減らせる上、液体水素充填時間もレースを見ていると遠からず軽油に限りなく近づくと思う。超伝導インバーターなども組み合わせることで、総合燃費はさらに改善させることだって可能かと。

このパワーユニットが実現したら、長距離トラックやバス、建設機械、船舶などあらゆる大出力パワーユニットカーボンニュートラルに出来る。基本となる技術は「燃料電池」。トヨタだけでなくホンダだって使えます。この技術、実用化に向け大至急開発を始めるべきだと思う。決定的な日本のストロングポイントになるだろう。目の前の霧が晴れてきた感じです。

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3 Responses to “液体水素+超伝導+燃料電池。日本の明日が急に見えてきた気持ちになりましたね!”

  1. z151 サンバー愛好者 より:

    今走ってる(国沢さんも参加してる)富士24hスーパー耐久レース(通称S耐)でモリゾウ氏もドライバーに連なる(もっと言ってしまえばWRCのGR監督であるラトバラ代表も)GRカローラが液体水素で走っています。
    今までは圧縮気体の水素だったので街中の水素ステーションと基本的に同じと考えていましたが、走る実験室が大分ステップアップした模様。
    レース前から計画的ピットインメンテナンス宣言もされており、ある程度走行した後にメイン部品の何点かを交換するのだとか。
    予防措置でもあるのでしょうが、現状は「10万キロ相当の耐久性はない」訳です。
    一方で液体水素を使用することで給水素由来のピットイン回数は大幅に減りました。
    以前は満タンにしても15分程の走行でピットインしていたのが、今回は概ね30分走行できている。
    気体水素タンクはガスボンベ状のものを後席スペース&ラゲッジスペースいっぱいに積んでいましたが、今回は(リアハッチ開閉が伴うものの)大型の安全燃料タンク状に変更。
    給水素設備もコンパクトになり、ピットで給水素が可能。

    大分水素特有の物々しさがなくなりました。
    興味がなかったら「トヨタ社長(今は会長だけど関心なかったら気付かない)が道楽でレース参加してる」ようにしか見えないかも。
    情報って発信するのは随分鮮度よくなった面もありますが、受け取る側も正確に受け取ることがより重要になってきたともいえます。

    多分水素エンジンGRカローラも冷却系は色々工夫されているんだろうなとか妄想していました。
    エンジンは元よりブレーキの温度管理や各種オイルの温度管理等ICEなら冷却に頭を悩ませるところですが、液体水素だと過冷却も課題になりそう。
    でも燃料電池だったら「ガンガン冷やすことができる」可能性が。
    超伝導というとリニアモーターカーを彷彿させますが、多分実現するとコンピュータでも革命が起こりそう。更に燃料電池のシナジー効果を考えると、コア技術は(未来のノーベル賞は)超電導技術かもしれません。

  2. 猫まんま より:

    専門家ではないので素人考えですが水素の一番のネックは現在は圧縮してタンクに充填していますが非効率やり方で圧縮するのにエネルギーを使うといったことになってます。これがガソリンのようにそこそこ安全に液体で補給出来るようになれば一気に水素自動車が普及すると考えます。
    https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/18/14493/
    このような技術が実現して手軽に水素が補給出来るようになればと思います。もちろん水素は爆発するので安全性は重視しなければなりませんが。
    手軽に安全に水素が使えるようになれば水素なんて海水でも川の水でも分解すれば精製出来るわけですし水素精製に再生エネルギーや自然エネルギーを使えばカーボンフリーになるわけで資源の無い日本にとって水素こそ力を入れるべき分野だと思います。

  3. めけくん より:

    これだけの効率化が進むなら、地域エネルギーの創出も目前ですね。
    トヨタニューシティとか。

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