中国勢、日本のハイブリッド車の価格で200kmのEV航続距離を持つPHVを続々リリース!
何回か「中国のPHVは驚異!」と書いてきた。このクルマは長城汽車『H6』のPHEV。スペックが凄い! まずボディサイズは全長4683mm×全幅1886mmというのでハリアーサイズです。リン酸鉄リチウム電池を34kWh積んでおり、EV走行距離200kmというカタログデータ。まぁ150kmくらい走ると思う。これだけ走れば基本的に電気自動車という概念でいいだろう。
今年から大幅値下げ!
発電機は1.5リッター直噴ターボ150馬力。システムはホンダの2モーターハイブリッドと同じだと考えていい。基本的にはエンジンで発電機を回し、その電力で177馬力のモーターを稼働させ走るシリーズ式。ホンダや三菱自動車と同じく直結モードも持っており、全開加速時には両方のパワーを使う。ギアはリダクションの2段(だと思う)。だからトルクバンド広いターボです。
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おそらくハイブリッドモードは燃費良くないだろうけれど、日常使いだと電気自動車で済む。燃費悪いターボで全く問題無し。システム出力326馬力とパワフルだ。装備内容を見ると基本的に「全て付き」。ADASに代表される安全装備もフルスペック。長城汽車、いろんな国で衝突試験されているが、けっこう優秀だったりする。ADAS性能だって急速に向上してきた。
ADASフルスペック
素晴らしいのがインテリア。大きな液晶画面は中国車の得意技。素材の”シボ”は質感あるし、全てソフトパッド。ミシンの縫い目も本物。シート素材は苦しゅうない。デザインだって凝っている。シートの形状は日本車に勝るほど。10年前までトヨタのパクり車ばかり作っていたとは思えないです。ハリアーと比べたって質感で負けていない。なんたってお金掛かってますから。
恐るべしは価格で、169万9千バーツ(680万円)から139万9千バーツ(560万円)へ大幅値下げ。CR-VのHV(4WD)で172万9千バーツ(691万円)。CX-5のガソリン2リッターは149万9千バーツ(596万円)。こんな価格戦略で来られたら日本勢は厳しい。中国で負けるのは当たり前。中国勢が進出してきている新興国でも厳しい厳しい戦いになるんじゃなかろうか。超まずいです!
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マニアじやなければ、PHEVでもなんでもいいし、タイの駐在員に聞いてもタイ生産のアウトランダーを見ないと言う状況…日本車絶対じやないですよ。
そろそろ日本に戻るのでしょうか?
フォーミュラE「Tokyo E-Prix」の取材期待していますよ。
「まずい」とはっきり言っているのは国沢師匠ぐらいじゃないですか。中国駐在のエリートには中国EVの急速な進歩は予測できなかったようです。日本本社に忖度して無難な情報しか上げてなかったり、相手にこちらの情報が抜かれる一方だとしたら、それもまた「まずい」状況。今後その差は広がるばかりです。
会場で中国人に接近して話をするような日本人はいないのか。自慢げに教えてくれるかもしれない。
全固体電池に賭けるなら頑張ってほしいが、出来もしないものにこだわるのは時間の無駄、可能性があるから全精力を注入する、どちらか判断できる人がいるのだろうか。