大型トラックの制限速度が90km/hに引き上げられたものの、現状、ナニも変わっていない?
4月1日からひっそりと大型トラックの最高速度が90km/hに上がった。といっても本日時点で走行している大型トラックの速度リミッター作動速度は90km/hに設定されている。制限速度80km/h時代の+10km/hは「おまけ」という解釈です。したがって制限速度が10km/h上がったら、今度は「おまけ」を何km/hにしましょうか、という妙な話になる。
本日時点で「おまけ」が付いている大型トラックは無いと思われる。したがって2024年問題の発端になっている労働時間制限始まった昨日からも大型トラックの最高速度は変わっていない。いつ頃から変わり始めるのだろうか? てっきりトラックメーカーが4月1日よりリミッター作動速度を上げたモデルを出してくるかと思っていたら、今だ何のリリースも出ておらず。
はたまたリミッター作動速度を100km/hに上げるという業者も見当たらない。考えてみたら80km/hから90km/hに制限速度アップするという件が正式に決まったのは今年2月。加えてそれまで100km/hにすることも検討されていた。トラックメーカーとしちゃ「ドッチなんだよ!」の思いだったことだろう。というか、安全や燃費に大きな影響を与えるのに稚拙過ぎた。
そもそも残業時間を減らせるかどうか怪しく、二酸化炭素削減目標に対する見解もなく、安全性が低下することへの対策だって皆無。電動キックボードの解禁と同じくらいデタラメである。速度リミッターを100km/h作動にした大型トラックがどんなタイミングで出てくるか不明ながら、今度は90km/hリミッターのままになる大型トレーラーとの追い越し合戦が激化する。
結果的に100km/hリミッターの大型トラックは走行車線じゃ大型トレーラーに追いつき、追い越し車線で乗用車の怒りを買う存在になってしまう。そして目的地への到着時間たいして変わらず、車線変更の繰り返しで燃費と安全性が損なわれることになること必至。制限速度アップを決めた愚かな政治家達を選んだのは国民ですけどね。高速道路、一段と走りにくくなると思う。
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大型車のスピードリミッターは90km/hと法規(道路運送車両法保安基準)で定められていますので、道路の最高速度が90km/hになっても保安基準が改正されない限り実際の制限速度アップはなされませんね。
4月1日からトラックドライバーの残業時間が変わるにあたり、タイムリーなニュースをありがとうございます。
テレビでトラックドライバーの労働時間について報じていましたが、もちろん「うちは車の最高速を上げて時短します」なんて業者はなく、人のシフトを工夫したり配送時間帯を道のすいているところにかえるような、現実的で安全な方策がとられているようでした。コンプライアンスです。
飛ばせば時間が減るだろうなんて、前時代的な考えかたをするのは政治家と役人という残念な政治であります。