業界天気予報。スバル

現時点でスバルは「それでいいのか?」と言えるほどのアメリカ一本足打法になっている。というのも欧州市場はCAFEをクリア出来る燃費の良いクルマ無し! 燃費罰則を支払っても欲しくなるような魅力あるスポーツモデル無し。そんなことから事実上の撤退という状況。中国についちゃ工場進出を許されなかったこともあり(結果的に良かったと思う)、最初から視野に入れる必要なし。

東南アジア市場もバンコクモーターショーでブースすら出さないくらい低迷。大きな市場だった大洋州すらジリ貧となってしまった。3世代前の森社長時代、利益率の小さいコンパクトカーを切ったことに加え、WRCから撤退したことがアメリカ以外のクルマの売れ行きを落とす決定打になる。森社長が「世界でバランス良く売れるスバル」から「アメリカしか考えないスバル」にした。

今の路線を決定づけたのは吉永社長である。20世紀のスバルって今のトヨタのように世界中でクルマを売る会社だったのに。ただ業績を伸ばした。こうなるとアメリカ戦略でスバルの将来が決まるということになります。アメリカの課題はCAFE(企業平均燃費)を見据えながら電気自動車とハイブリッド、PHVを作って行くことに他ならない。直近で言えば燃費の良いハイブリッドです。

間もなくデビューするフォレスターのハイブリッドが成功すれば当面安泰だと思う。同じユニットをクロストレックからアウトバックまで展開すればいいだけですから。今でもアメリカでの「スバル4WD凄い!」伝説は圧倒的! そのイメージをハイブリッドが引き継げたら盤石です。ハイブリッドで一息ついている間、電気自動車も必要になってくる。早ければ2026年だ。

それについての対応は少しばかり見えにくい。先日、マツダと同じくパナソニックの円筒形電池を調達すると発表したが、三元系リチウムのため遠からず厳しい評価になると思う。特にアメリカは10年で走行距離30万kmという市場であり、そこから人気中古車として再販出来ないとリース主体のビジネスニーズに答えられない。三元系リチウムだと50万kmは無理です。

アメリカ市場以外についてはモータースポーツに代表されるブランドイメージを再構築しないとジリ貧。BRZより86の方が圧倒的に人気あることや、競合他社だと人気抜群状態の純エンジン高性能車となるWRX S4の中古車相場が絶望的に低いことなど考えると、もはやアメリカ以外での販売は難しいと思う。ハイブリッド車だって少しでも割高感あればトヨタ勢に勝てないだろう。

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