日本ではオワコンと思われ始めた燃料電池ながらアメリカでは次期主役パワーユニットになりそう
日本ではオワコンと思われている燃料電池ながら、ラスベガスで現在開催中の『ACT EXPO』(商用車ショー)で話題を集めている。ホンダとトヨタが”ほぼ”完成形の燃料電池トレーラーヘッドを出展しているのだけれど、この手のクルマのパワーユニットとしては本命になるかもしれない。やはり大きな出力を必要とする大型トラックを電池で走らせるのは難しいと思う。
「働くクルマ」は稼働時間が命。電気で走らせようとすると、どうしても充電する時間を必要とする。上の写真のようなトレーラーヘッドを100km走らせようとすれば、150kWhくらいの電池が必要。トラックは大きいので電池をたくさん積むことは可能ながら、500kWh以上の大容量電池を急速充電しようとしたら、それなりの設備が必要。もちろん充電に時間も掛かる。
燃料電池ならそれほどたくさんの水素を積まなくてもいい。充填時間が短いからだ。150~200kmくらいの間隔で水素ステーションを作っておけばOK。コンテナ埠頭から近所まで海上コンテナを運ぶような使い方だって充填時間が短くて済む燃料電池車が有利だ。これまたコンテナターミナルに水素ステーションを作るだけで済む。再生可能エネルギーで作った電気は水素にするのが効率良い。
乗用車用としては厳しい明日になりそうな燃料電池ながら(6月1日からイワタニも1210円から1650円に値上げ。エネオスはすでに2200円)、商用車用として考えると主役になるうると思う。トヨタとホンダ(GM)が完成度の高い燃料電池を完成させており、それにヒョンデも加わる。2050年のカーボンニュートラルに向け、長距離トラックはベースとなる技術が確立したかもしれません。
ちなみに乗用車のハイブリッドに相当する「つなぎ」の技術だけれど、大型トラックはCNG燃料(圧縮天然ガス)になると思う。上はアメリカのディーゼル大手カミンズのCNGトラック。アメリカは以前から排気ガスがクリーンなCNGを使ってきたけれど、拡大採用していくと思われる。なんたって天然ガス、アメリカは使い切れないほど採れますから。CNGと圧縮水素、扱い方が似てます。
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地元のネタですが、福島県本宮市の東北道本宮インターチェンジ前に、大型商用車対応水素ステーションが完成しまして、5月15日から営業しております。
秋頃からは、24時間365日営業に移行するんだそうです。
価格はイワタニと同じ値段のようです。
ここが盛況になるくらい、商用車の利用が促進されればいいんですが、さてどうなるものか、見守っていきたいと思います。