記者会見の質問で「私はあまりクルマに詳しくないんですけど……」と言って質問する記者さん
以前も書いたけれど、新型コロナ前まで自動車専門メディアと一般メディアは分けて記者会見などやっていた。しかし最近一緒。そうしたら驚くことばかり。昨日、不正問題で3社が記者会見を行った。後半はQ&Aである。質問に驚く。「私はクルマに詳しくないんですけど……」から始める記者さんも少なくない。クルマに詳しくない人を記者会見に送り込んでどんな記事が書けるんだろうか? もちろん質問の内容からしてトンチンカン。
一般の記者さん、エアバッグは開きっぱなしだと認識します
ホンダの記者会見では認証問題の内容なのに「工場による差はありますか?」。どうやら”開発”と”生産”の違いも理解できていないようなのだ。こういった記者さんからすれば、全ての内容について”ナゾ”が頭の中を駆け巡っているんだと思う。とうてい理解できまい。どんな記事を書けるんだろう? おそらく国交省の発表資料は間違っていないだろうから、それと同じ内容にしておけば上司から怒られることもないだろう、ということかと。
そもそも「エンジンがどうやって動くか」とか「エアバックはどういうタイミングで展開させているのか」。はたまた衝突試験の内容などわからなければ、不正についての説明などチンプンカンプンです。天下のNHKすら国交省側の発表を鵜呑みし、メーカーの不正、改ざんといった報道だ。現場に来ているNHKの記者さんがクルマのことを解っていない。官制メディアだからして、これまた政府の側についておけばいいってことなんだと思う。
今回エアバッグのタイマー展開が含まれている。衝突時の衝撃に対し、車体構造、シートベルト、エアバッグで守るのだけれど、主役は車体とシートベルト。したがってエアバッグの正式名称にはSRSが付く。「Supplemental(補助) Restraint(拘束) System(装置)」。あくまで補助という位置づけなのだった。そういった知識を持っていない記者さんにトヨタがやったタイマー展開の目的を説明をしたって解るワケ無いです。
トヨタがやった”不正”はエアバッグの効果を少なくして車体とシートベルトの性能をチェックしようというもの。エアバックの展開を遅らせても基準をクリア出来れば、最適なタイミングで自動展開させるより安全性は高い。そいつをシロウトさんに説明しようとすれば、つきっきりで最低5分掛かる。私ら一般メディアの取材を受けた時は丁寧にレクチャーするのだけれど、理解してもらえるまでスンゴク時間掛かります。
いつも「見識ありますね!」と参考にしているモーニングショーの玉川さんすら「電動化時代になったための弊害。世界は電気自動車に注力しているが日本はエンジンもやっているから」とコメントしていた。大半のメーカーの不正タイミング、2014年あたりに集中している。当時、まだ電動化など始まっていない。クルマ関係のコメントを見ると、他のジャンルのコメントもこんなんかな、と思ってしまう。不正の内容が理解できていれば、不安をあおる必要ないのに。
新聞など一般メディアの多くは2~3年で担当を変えられてしまう。そんな短いスパンでクルマの取材をすることなど難しいと思う。クルマの免許すら持っていない記者さんも少なからずいる。といった意味では少しばかり同情します。国交省の発表を鵜呑みにしなければ、少なくともユーザーに対する大ネガティブキャンペーンをしなくて済んだと思う。国交省というより斉藤大臣が企業を極端に嫌ってるように見えます。同じフネに乗ってるんですけどね。
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今回の不正の一部では技術基準よりワーストな試験を行っているのでユーザーサイドにとって歓迎されるべきことだと思うのですが。
お上にとっては「規則通りの試験を行わない」ことでコケにされたような印象を受けるのかもしれません。
ちょっと原理主義っぽいです。
あくまで私見です。
エアバッグのタイマー設定の件、国沢さんの記事を読んでようやく理解できました。
メーカーが、認定試験よりも厳しい条件を課して試験を行うのは、大変ウェルカム。
しかしながら、会長や社長が頭を下げているということは、やはりルールを逸脱しているから。
今の世の中、自分を含めて、人は勝手な解釈をまき散らすため、正しい情報が伝わりません。
今回のような認証試験ては、ルールに淡々と従ってくださいまし。
記者の中には内容なんてどうでもよくて
「不正発覚!トヨタを叩け!!章男を叩け!!!」って言う考えの記者が凄く多いでしょうね。
報道を見ていても質が低いなぁって感じますし
内容を見たらメーカーが日本基準より厳しい試験をしていてこれって「不正」と言う表現っておかしくないかって思ったくらいでしたし
全く同じ印象を持ちました。
沖縄くる前によく見ていた(沖縄は放映なし)そこまで言って委員会の医療が取り上げられる回のたびに、そのレベルのコメントを堂々としていたのかと、コメンテーターに失望した記憶があります。やはり専門分野以外のコメントはすべきではないなと思いました。
ここぞと今回の不正とは無関係の品質についてもこの車ダメダメだ!問題だ!とする一般人もいますからね…記者はほんと大変だ
役人は権威や面子に拘ります。それは、自分たちがやらなければならない仕事(公僕としての)よりも優先されることが多々見られます。
JALの社長が大勢のマスコミの前で、たかが国土交通省の役人に深々と頭を下げさせられたことなど、典型的な事例です。
国沢さんが玉川さんに対して見識あると思っておられるとは意外でした。
私個人のなかでは玉川さんはワーストコメンテーターです。
あくまで個人の感覚なのであしからず・・
学会でこの手の枕言葉で質問が出ると緊張感が半端ないですがね。
学会で恐ろしい枕詞四天王
「素人質問で申し訳ないのですが」
「聞き逃したのかもしれませんが」
「基本的な質問で恐縮ですが」
「私の知識不足が原因かと思いますが」
本当に素人だとしたら最近のマスコミの能力の無さが如実に…
役人の権限は決められた範囲でしかできないのだろう。
しかし、現場の担当官はより厳しい試験で消費者の得になることを暗黙で認めたんだろうと思う。
しかし、社内調査をしろと言われたらルールと違うものが出てきた。
担当官AがOKしたとも言えないので今回のような事案になった。
そうだとすると、担当官に一定の条件で権限を与えるルールにしないといかん。
その仕事は局長、事務次官、大臣だろう。
大臣が名誉職になってる(公明党の既得権)になってるところをメディアは指摘して欲しい。
とメーカー寄りのことを書いてしまったが、小さなエラーを公表して大きななにかが陰に隠れて処理されていないことを願う。
CX60の不具合の連続は検査に問題があったと思わなくもない。
良い話題ありがとうございます、ルールという観点ではどのメーカーも決められた通りの方法で無いので不正ですね~、でも報告書だけで認証取得するのに役人は立ち会わないのかな~国が試験場を作ってある程度そこで試験をすれば良いと思います。