東京都の強烈なEV押し、どんな理由があるのか?

東京都は電気自動車や再生可能エネルギーの活用にたくさんの補助金を出している。そいつが納得出来るか出来ないかは人によると思うので自由だ。否定しても肯定してもいい。という前提の上で、皆さん考えている以上に世界はカーボンニュートラルへ向かっている。少なくとも世界とビジネスをしなければならない自動車産業についちゃ必達目標です。

東京都の上乗せ補助金

部品メーカーですらカーボンニュートラルに向けてプランを提出しない限り、自動車メーカーとの取引が出来なくなる。マルチパスウェイをすすめるトヨタだってキッチリとカーボンニュートラルの計画を立ててます。どうやら少なからぬ人がカーボンニュートラルなんかできっこないと考えているようだけれど、そう主張するのは自由だ(笑)。

さて東京都である。説明するまでもなく、日本で最も多くの電力を消費する。つまりカーボンニュートラルの達成は一番難しい。現在進行形で動いているのは、太陽光発電の導入。戸建て住宅や建物の屋根に太陽光発電をビッシリ付けようとしている。山間の傾斜地などと違い、環境に与えるダメージは小さい。2050年に向けてスタートするなら今です。

ウチの屋根には3.2kWhが載ってます

太陽光発電で余った電力を貯めておくポテンシャルは高い。一番有効なのが重力発電だ。高層ビルの外壁&内部に重力発電機を設置する(重力発電についてはコチラで)。昼間、大井川から東の再生可能エネルギーが余っている時間帯に、モーター使って重量物を高い位置まで上げておく。再生可能エネルギーの発電量下がったらそいつで発電する。

どのくらいの容量の重力発電を組み合わせるかによって違ってくるが、ビル単位なら夜間に使う電力を補って有り余る。東京都はビルが多いため重力発電ポテンシャルは100GWh以上ある(原発10基分に相当)と言われている。夜間電力は原発とバッティングするため、政府としちゃ激しく足を引っ張ろうとしているが、国から施しを受けずに済む東京なら突っぱねられます。

電気自動車の普及も東京が一番不利。集合住宅多い。ある調査結果によれば、集合住宅の人は電気自動車忌避派が多数。けれど2050年に近づくと、イヤでもカーボンニュートラルを実現しなければならなくなっている。10年前の2040年くらいから頑張っても、2050年に100%は無理。クルマの寿命を考えたら2035年には電気自動車しか登録出来ないようにする必要あります。

東京都が打ち出している「2030年に100%電動化車両」(発電用エンジンを持つPHVを含む)は2050年のカーボンニュートラルを実現しようとしたら妥当な目標値だと思う。これまた今から動き出さないと達成不可能。繰り返しになるけれど、2050年のカーボンニュートラルを努力目標だとタカをくくっている人は本当に多い。政治力の無い我が国なので、強要される。

100歩譲って先進国のいくつかがカーボンニュートラルを達成出来なくなったとしても、達成出来た我が国は必要最小限の化石エネルギーを買うだけで良い国になる。これ、素晴らしいことだと思いませんか? 原油価格や為替相場で一喜一憂しなくて済むようになるのだから。その上で食料の自給率も確保出来たなら、孫や子供の日本は夢のような国になります。

東京都の場合、国に頭下げて施される財政補助不要。石油利権や原発利権にも振り回されずに済む。カーボンニュートラルは日本にとって1丁目1番地です!

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2 Responses to “東京都の強烈なEV押し、どんな理由があるのか?”

  1. ボヤキ爺 より:

    どちらのデベロッパーさんか忘れましたが、高層マンションのエレベーター用の一部分を活用して重力発電が可能な装置を作り災害等での停電を防いだ住まいにすると言うようなニュースがありました。今後は、ビルの壁面を使って発電出来るペロブスカイトの活用も話題になっており、一つのビルでカーボンニュートラルの実現が可能となるかも知れません。
    更に、年間約340万台の普通車が販売されてますが、もしEVが10%のシェアがあれば、1台あたり40kWhとしても毎年13GWhの蓄電池が増えていくわけだし、そこに太陽光パネルが組み合わされれば、様々な家庭でカーボンニュートラルの実現が可能となる訳です。
    だからといって電力会社が要らないのではなく、大事なバックアップ電力の供給元として活躍の場はあります。安心して再生可能エネルギーに頼るためには、電力会社は必要不可決なのです。そのためには、一定の出力を維持する運転しかできない原子力発電は不向きで、大きな蓄電事業はあり得ますよね。

  2. youcat より:

    東京都、そのうち高層ビルの所有者に対して重力発電装置(重力電池)の設置も義務化しそうですね。
    戸建て住宅のソーラーで発電し、PHEVやBEV、住宅用電池に蓄電。それでも余った電力を高層ビルの重力電池で蓄電。(当然、高層ビルもソーラー発電する前提ですが。)
    クルマに関して言えば、よほどの遠出をしない限り蓄えた電力で移動できるし、ガソリンを入れに行く手間も減る。

    とても理想的ですね!

    しいて言うならソーラーパネルやバッテリーの耐久性アップ、耐用年数経過後のリサイクルのシステム化の普及が急務なのと、
    100%は無理にせよ、せめて60%の割合でソーラーパネル、バッテリーの地産地消ならぬ「国産国消」ができれば言う事無しですね。

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