ギル・プラットさんの話を聞いたらAIの凄さと可能性が初めて理解出来た。こりゃタイヘンなことになる!

「AIってなんだ?」と思っている人は多いだろう。私も昨日トヨタのギル・プラットさんというチーフ・サイエンティストの話を聞くまで本質を理解出来ていなかった。いや、正直に書くと、TVがなぜ写るのかを普通の人に対し簡単かつ上手に説明出来ないのと同じで難しい。ただどんなモノかが解ったのと同時に「人間の脳と同じですね!」と感心した。

話を聞いて目からウロコが3枚落ちました!

まず現在の制御系だけれど、基本的にプログラムで動いている。決められた通りに動く。プログラムは頑固で融通効かないため、手順を間違うと動かない。「101o」(最後がゼロでなくオー)とすべきトコロを「1010」にしてもダメ。そこで「101o」も「1010」と同じというプログラムを作ってやる。そうすれば動く。でもプログラムが必要。

AIは「101o」を見て、様々な情報から答えを出す。データベースを探せば「0」と「o」は間違い易いことが解る。似ていることも解るだろう。そういった情報にアクセスし「もしかしたら間違えじゃね?」となり、前後の文字や情報も同じように精査し、同じだと言うことを確認する。さらに「1o10」や「1o1o」も書いた人のミスという答えを導き出す。

したがってプログラムは不要。複雑な作業をしようとするとプログラムだと膨大な量になってしまう。AIならやりたいことのお手本を見せれば、プログラム無しで実行してしまう。クルマの運転も同じ。プログラムだと全ての動きを打ち込まないとならず、もはや限界が出てくる。大容量の処理が出来るコンピューターだって必要。その頂点がレジェンドのレベル3だ。

日産が障害物を次々に回避していくPR動画を作ったけれど、プログラム制御の頂点です。AIなら同じシチュエーションを作りだし、人間が運転して避けてやればいい。すると速度やクルマの反応まで総合的に考え、実現出来てしまう(AIなら人間の判断と同じく止まると思う)。見せてくれたドリフトの動画はプログラムだと途方もない量が必要ながら、AIなら誰かが見本を示すだけでいい。

しかも家に帰って調べてみたら、AIは人間の脳の構造と同じく小さいCPUをたくさん組み合わせることで成立するという。電力を大量に喰う大容量のコンピューターも不要。当然ながらトヨタはフルスロットルでAIをクルマの制御に取り入れようとしていることだろう。計算尺からコンピュターになったのと同じくらいの進化がやってくる。少し怖く、少しワクワクします。

追記・AIを動かすのにプログラムが必要とか、それなりのCPUが求められるいう当たり前の指摘は他でお願いします。

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4 Responses to “ギル・プラットさんの話を聞いたらAIの凄さと可能性が初めて理解出来た。こりゃタイヘンなことになる!”

  1. アミーゴ5号リボーン より:

    インターネットがひとつのAIとなって、ターミネーターのスカイネットのように人類に敵対する日、つまり最後の審判の日が間近に迫っているのだ!

    という陳腐な妄想しかできない昭和のジイさんなので、こちらの講演を是非とも聞きたいと思いました。

  2. ハヤミ より:

    昔から言われている人工知能ですね。
    アイデアは鉄腕アトムのころから、具体的に脚光し出したのはターミネーターぐらいからでしょうか。それがだんだん実現してきたので科学の進歩は加速的に進んでいるみたい。
    マトリックス(映画)の時はまだ携帯電話だったのに現在ではスマホですから、自分が生きている間は無理かもしれないけどボケ老人が一人で車移動可能になるでしょう。

  3. kei より:

    自動車業界には、プログラム制御の限界かなって所まで進んで終わったプロジェクトが多いように思います。
    ホンダのASIMO、ヤマハのモトボット、ほか色々。
    そういうのに関わってた人達が、昨今のAIの普及を見てどう考えてるか、気になります。

  4. Soma より:

    運転制御へのニューラルネットワーク式の演算応用がこれからも進むのは当然として、その次の応用がどこまで進むか、大いに期待しています。

    高齢者の危険運転を検知して免許返納を促すとか、警察の交通違反取締業務を代行してくれるとか。

    前者は安くて古い車にいつまでも乗り続ける高齢者の摘発可能なほどに社会実装されるのはいつになるやら、という話ですし、
    後者はプライバシーの議論を超えて、車を買うときに同意書書くのが当たり前、みたいな文化になるか?という話で、
    どちらも非常に難しいのは分かるのです。

    しかし、これからの日本では相当な変革を乗り越えないと、車社会が破綻してしまうと危惧しています。

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