ホンダの次世代電気自動車についてのお披露目がありました。一番気になるコストは?
先週末、ホンダの次世代電気自動車関連の取材会が行われた。残念ながら私は八丈島の学生イベントで出席できず。ホンダのリリースを見ると発表された技術は多岐に解る。『ホンダ0』と呼ばれる電気自動車の基本は、245馬力のモーターで後輪を駆動するという(同じモーターを前輪にも使うと合計490馬力)。回生を重視するなら前輪駆動が有利だと思うのだけれど。
車体はバッテリーの搭載フレームに6000トンのメガキャストを使い50の部品を5つにするという。その他、ライダーを使ったADASは、自動運転レベル3に匹敵する能力を持たせたり、車両の統合制御などに使われる新しい技術もたくさん発表されている。次世代プラットフォームを使ったCR-Vとアコードの先行試作車の試乗も出来るなど、最近新しい技術発表の無いホンダながら頑張った。
多くのメディアに情報が出ているけれど、私なら聞きたかった2つの項目は全く無し。コストとバッテリーです。3年くらいすると多くのメーカーから次世代を担う”ホンキで開発した電気自動車”が出てくる。そこで最も重要な条件と言えば当たり前ながら価格だ。どうやって安く作るか、ということです。トヨタの次世代電気自動車のメインテーマは「コストダウン」。
実際、取材すると生産ラインを短くすることに代表されるコストダウンの技術発表のようなもの。話を聞くと「これは勝負できそうだ」と感じた。ホンダの発表内容中、コストダウンになりそうなのはモーターと駆動系が一体になったeアクスルと、メガキャストくらい。eアクスルのコストダウンはどのメーカーも1丁目1番地だし、メガキャストだってホンダだけ優位と思えず。
バッテリーもトヨタはバイポーラーのリン酸鉄リチウム電池という低コストで長寿命のタイプを主役に据える。ホンダは「10年後の電池劣化率10%以下を目指す」という内容のみ。アメリカで10年といえば30万km。三元系リチウムじゃ絶対不可能な劣化率です。となればリン酸鉄リチウムで行くのかとも思えるけれど、そういった情報一切ありません。そもそも電池の内容が極めて薄い。
もっとハッキリ書くと電気自動車で最も重要なスペックは価格とバッテリーです! この2つが成功するかどうかの大きなテーマになる。トヨタの発表とホンダの発表の違いは、この2点の有無。ホンダが「そんな当然でしょ! 当たり前のことは説明しなかった」というのなら素晴らしい。ヤボな疑問でございました。でも聞いてみたかったですね。
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6000tをメガキャストと呼ぶかどうかは微妙なところですが(身近なところではエスカレータの踏板のダイキャストマシンが3000tクラス)、トヨタの発表と同様で実験機なのかもしれませんね。
それはさておき、電動車の話をするときに 従来の自動車と同じ尺度の最大出力ベースで会話してもクルマとしての実力が判りにくくなってきていると思います。
ジェット機並みに推力(駆動力)・重量比にすれば加速度が一目瞭然でトランスミッションを持たないEVにふさわしいように思いますがいかがでしょうか?
同感でございます。
自分が最も注視するのが、
・価格
・電池(三元系/リン酸鉄)
・V2H接続可否
になります。
以前にもコメントしましたが、
EVの稼動時間で考えると、
我が家では運転10%未満で、
90%以上が家の蓄電池としての利用だからです。
電池や給電について新発表のEVを説明する記事など、
あまり見掛けません・・・・・
スライドを見る限り、今でもできそうなこと、進んでいるメーカーならやっていることしか書いてないですね。目標値もあんまり書いていない。
このスライドを作ったかこれで良しとした社長は、自社の造るEVのレベルや自社の現在地(まだポロポロとしかEVを作ったことない)がわかっていないのかもしれません。他社が”ホンキで開発したEV”について予想してマージンは稼げているのかな。
まずは、GMと作ったBEVを丁寧に安く売ってEVの商売はどんなことになるのか勉強するときなんじゃないかな、’26~’30って。
インバーター2個入りのe-axleも、細かいことですがモータとインバーターの間に長い配線が入ると電気抵抗・ロスが発生するのでサブのモーターにとっては効率がよろしくない方向に働くハズ。
だから他社はXin-Oneのe-axleを開発して、電気の行き来する充電器・バッテリー制御・インバーター・補機の間を縮めようとしている。
そんなロス何て微々たるものだというのでしょうが、駆動モーターとインバーター間が一番電力が行き来する、しかも交流電流。なので、このレイアウトを見るとそういう基本的に発生しそうなムダを解決したうえでこれを作ったのかなと思ってしまいます。
私も価格とバッテリーだと思っています。
発想が古いですが、かつてカローラとサニーが大衆車のライバル関係で日本の自動車産業の発達を引っ張って行ったように、大衆EVが各社から出て競い合いながらEVを普及させて行かないと自動車産業の変革についていけないのではと危惧しております。
よくEVの技術はまだまだこれからだという言葉を目にしますが、すでにリーフでも納得いく乗り物になっているのです。そして、問題が発生したらそこを丹念に対処して、より良い車になって行くのです。エンジン車が勝っているのはエネルギーの補給が早いってことぐらいなのですから。
LFPバッテリーを30kWhから40kWhぐらいを搭載し、現代の標準的な安全装置を取り付け、ハンドルヒーター&シートヒーターとクルーズコントロールがおまけに付けば問題ないのですから、出来るだけ安価な大衆EVをぜひ各社で競い合って出してください。
先進的な装置、未来的な技術はEVが十分普及したその後で結構です。
日本では、カラオケ装置は要らないと思います。
次世代電気自動車の話なのに、メカの話にこだわっているのが、まるで負け戦に向かっていくように見えて仕方がない。
ホンダが、良いバッテリーを手に入れ、低コストで車体を作れるようになり、よく走る車を作ってテスラやBYDを迎え撃とうと戦場に乗り込んだときには、戦場に遊びに来るのはトヨタや他の自動車メーカー。でも、その頃にはすでに戦場は別の場所、つまりソフトウェアの開発競争に移っているだろう、というのはほぼ間違いない話。
ガラケーの頃を思い起こせば、電話もできる、音楽も聴ける、写真も撮れるけど、スマホと比べると何か物足りない。そんな感じの車をわざわざ買う人がどれほどいるんだろう?
日本企業を応援していますが、やっぱり心配になりますね。