週末のモナコGP、楽しいと思ったか最悪と思ったか。いずれにしろ前代未聞のレース展開でしたね

モナコGPのコースは抜けないので有名。昨年なんか1位から10位まで予選と同じ順位でしたから。どんだけ抜けないかと言えば、1分13秒で走れるクルマが1分18秒で走るクルマを抜けないんだから酷い。今年のモナコGPはその流れをシロウトにでも解るほどアピールしてしまった(見た人は以下、読むまでもありません)。モナコの限界を見せてくれたのはウイリアムスの2台です。

写真/HRC

序盤でアルボンとサインツが9位と10位になる。絶対的な速さじゃ11位と12位のメルセデスの方が速い。10位のサインツがタイヤ交換のためピットインしたら、その間、全開で走り(現代のF1は1ラップならエンジンモードで2秒くらい簡単に速くなる)、2秒のマージンを稼ぐ。で、次の周にピットイン&タイヤ交換すればコース上で抜けなくても前に出られる。モナコで唯一抜く方法です。

これを「アンダーカット」と言う。アンダーカットを嫌ったウイリアムスの2台はまず前のアルボンを逃がし、サインツはメルセデスを1周あたり2~4秒くらい遅いペースに付き合わさせる。この程度のタイム差なら、もう絶対抜けない。10周しないうち、アルボンとサインツの差は30秒。このタイミングでアルボンのタイヤ交換をすると、サインツの前に入れる。アンダーカットされない。

続いてアルボンはサインツに9位を譲り、今度はアルボンがメルセデスを抑える。30秒のマージンを取ったらサインツがタイヤ交換ということです。ここまで徹底的にペースを落としミエミエの戦略を取ったチームは今まで無かった。途中、アタマにきたメルセデスのラッセルがシケインを真っ直ぐ突き抜けてアルボンの前に出たほど。これ、100%ペナルティを喰う禁じ手です。

10秒のペナルティくらいなら、5周くらいアタマを抑えられることを考えたらチャラに出来という判断だったんだろう。残念ながらピットスルーという30秒近いペナルティを喰らい終了でしたが(笑)。いずれにしろ今年のモナコはレースファンがワクワクするような展開じゃなかった。私はここまでグダグダなF1を見てむしろ面白かったですけど。来年も同じモナコGPなら、ブランドを失う。

同じ日に行われたモトGPイギリスは、ヤマハが3戦連続ポールポジションをゲット! 本戦はTOP走行中メカニカルトラブルでリタイアという残念な内容だったものの、勝てる速さを確認出来た。レースは雨のフランスGPで優勝したホンダのザルコが2位に入った。どうやら日本勢の復調は間違いないようだ。有難いことにモトGPは日本勢が元気じゃ無いと盛り上がらないという評判です。

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1 Responses to “週末のモナコGP、楽しいと思ったか最悪と思ったか。いずれにしろ前代未聞のレース展開でしたね”

  1. KUMA より:

    昨日寝ちまったから、モナコのことはネタバレ厳禁で頼むと言っていた同僚が不憫です。
    最初のVSCで戦略が別れたときは、これから高度な軍師戦がみれることを期待していましたが、中盤から、ゲームセンターのハメ技プレイを見せられて終わってしまいましたね。
    たまにこんなのがあっても面白いですが、75周年記念のモナコでこの展開は何とも皮肉だな~(笑)と、思っています。
    F1からモナコは無くならないとおもっていますが、続けていくためには、改善が必要ですね。個人的には、予選をもっと面白くしてもいいのではと感じています。
    例えば、かつての1ラップ予選や、トーナメント方式のタイムトライアルバトルなど。

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