ホンダ全体の収益の10%を占めるベトナム、電動バイク規制開始でエンジンバイクの中古車相場急落!
以前から「ホンダは電動バイクの普及を急がないと厳しい」と書いてきた。なのにホンダの動きを見ていると未だノンビリしている。一方、ベトナムの雄であるビンファストは積極的に電動バイクの展開を開始してます。今年の1月にベトナムを訪れた際、取材すると「もはや手遅れか?」。ベトナムって社会主義。国が産業をバックアップすれば、何でも出来てしまう。
なのにホンダは速度感無し。大丈夫か、と思っていたら、突如ベトナムの首相が「2026年7月からハノイ中心部はエンジンバイクの乗り入れを禁止する!」という方針を示した。しかも4年後の2030年から進入禁止区域を広げるという。もちろんハノイだけに留まるまい! ホーチミンの規制開始も時間の問題だろう。今年買ったバイクはハノイだと最長4年しか使えない。
ハノイ中心部の乗り入れ禁止を発表したのは7月12日。2週間しか経っていないものの、早くも影響出てきた。エンジンバイクの新車販売に急ブレーキが掛かっただけでなく、中古バイクの相場も急落している。今まで10万円で手放せた中古バイクの買い取り価格が4分の1になってしまった。ベトナム国民は政府がドンドン規制を厳しくしていく、と先読みしたと聞く。
加えてビンファストの電動バイク、安くて高性能だ。先日発売したEvo200なんかカッコよくて安価。電池は燃えないしヘタらないLFPである。もちろんホンダのエンジンバイクより安価。おそらく地滑り的に電動バイクへ流れていくと思う。ベトナム政府はビンファストの生産量を横目で見ながらエンジンバイクの使用制限を強化していくことだろう。
遠からず大手メディアもこのニュースを伝えるかと。ホンダはビンファストの速度感に追いつけるだろうか? 相当厳しいと思う。ホンダが3月に発表した「ICON e:」は2.54馬力(最高速46km/h)と、3.5馬力(同70km/h)のEvo200よりワンクラス下の電動バイクになる。三元系リチウム電池を使い航続距離71kmで15万円。とうてい勝負になると思えない。私なら0.1秒も迷わず。
電池パックを使うモデルもあるが高価。ベトナムでもリース形式にするようだが、高価なバッテリー+電力料金を考えたら頑張ってガソリン代と同レベル。202kmの航続距離を持つLFP内蔵の電動バイクであれば、通勤先などが充電インフラを用意してくれればいい。電力料金は日本の3分の1以下である12.3円/1kWh。ガソリンがリッター108円。電気安いので普及する。
<おすすめ記事>
ベトナム在住ですが、いつも楽しく読ませていただいております。ホンダのICON e:のバッテリーは、固定式(と言っても取り外して充電可)です。着脱式のモバイルパワーパックを使うのは、CUV e:の方ですね。以下、ご参考です。
https://www.honda.com.vn/xe-may/san-pham#xe-dien
ホンダのバイクには、夢追い社長の趣味が色濃く反映されているように思えます。ソニーEVやホンダゼロと同じ匂いがしますもん。
「廉価版は、従来のエンジン車で充分だ。電動化では、新しさや付加価値を織り込んで、ホンダブランドを一層高めていこうぜ! で、このバイクの新しさは何?」という夢追い社長のはしゃぎ振りを妄想しております。
消費者に響かない手前味噌な新しさや付加価値は、無駄に値段が上がり不人気に陥る原因なんですけどねぇ。
クルマでは、研究所の次世代HV開発に救われました。大変浅はかで恐縮ですが、バイクでも研究所のファインプレーを期待しています。
私が知りたいこと。バイクの性能ではなくて、そういう方針を政府が出して、国民から反発などがなかったのかってことです。それは、どうなんでしょう?日本だとすごい反発がありそうな気がしますけど。
社会主義ですから