ホンダ インサイト
ホンダがハイブリッド車『インサイト』を発表した。ウワサ通りFCXクラリティのイメージながら、ボディのシルエットはプリウス風。オリジナリティを重視するホンダとしちゃ珍しい。キャビンスペースと空力を追求するとこうなってしまうのか? そういえば次期型プリウスもデザイン的には近い。
全長×全幅の4375mm×1695mmこそ現行プリウスの4445mm×1725mmと僅差ながら、室内の余裕を示すホイールベースは2550mm対2700mm。車格的には”一つ半”小さい。パワーユニットは1,3リッターエンジン+CVTのホンダ式ハイブリッド。ただエンジン+モーターの合計出力は、シビック・ハイブリッドより10%くらい低い。
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●2009年2月10日追記 インサイトの面白さは「ハイブリッドシステムをエンジンバリエーションの一つ」
と位置づけたことにある。ややこしいメカニズムを使っていないため、フィット級のエンジンルームに入る1,3リッターエンジン&ハイブリッドユニットと、
床下に収納可能な薄型の小型バッテリーを組めばどんなクルマもハイブリッドになってしまうのだ。
もし標準エンジンの30万円高以下で全て済むなら、後処理装置に莫大なコスト掛かるディーゼルエンジンより安価。ポスト新長期やBIN5、ユーロ6をクリアするクリー
ンディーゼルは、1,5リッター級のパワユニットだと下を見てガソリンの40万円高くらいになる。グリーンマシンの『002』はCR-Z。『003』が
フィットのハイブリッドだろうけれど、いずれも思ったより安価な価格設定になるハズ。
こうなると焦るの、「燃費よりパワー」という誤った戦略を選択してしまったトヨタです。インサイト対策としてプリウスの廉価バージョンを出すものの、次なる手がすぐ打てない。廉
価版の小排気量ハイブリッドシステムを開発中ながら、最短で1年半くらい掛かりそう。次世代ハイブリッドを出すまで廉価版現行プリウスの販売を続けるか?
完全に出遅れたのがハイブリッド嫌いのゴーン大社長率いる日産だ。
日産はプリウスクラスとクラウンクラスの2タイプのハイブリッドの選択肢を持っていたのだが、ゴーン大社長ときたら後者を選んでしまった。今から急いでプリウスタイプの開発に取り組んでも2年以
上掛かるだろう。インサイトのような小型の廉価版についちゃ”卵”さえ無い。いずれにしろ間に合わない。日産も三菱と同じ小排気量エンジンを搭載する廉価版コンパクトカーで当面頑張るしかないと思います。
●2009年2月27日追加 インサイトの実用燃費情報です。イメージとしては流れの良い道でプリウスより5%悪い、22〜24km/L。平均的な街中走行だと同10%低い18〜20km/L。雨の日や夏場の渋滞路で同20%低い14〜15km/Lといったあたり。
写真は雨の日に平均的な都内の渋滞(平均速度20km。10kmを走るのに30分掛かった)を走った時の燃費です。同じ条件、現行プリウスなら18km/Lは下回らないだろう。雨の日は除湿用エアコンを稼働させるため、アイドルストップが12〜13秒程度しか続かず。
しかも一度掛かると走り出して停止するまでエンジン止まらず。普通のコンプレッサー使うデメリットをモロに露呈してしまうワケ。ちなみに停止の度に空調をオフにしたら16km/Lを少し超えた。雨の日や夏場の渋滞時の燃費に付いちゃ過度の期待をしないこと。
<以下インサイトの情報についてのリンクです>
<おすすめ記事>
国沢先生の辛辣な評論をいつも楽しく読ませていただいております。
インサイトは先代からハッチバックですが、プリウスはセダンからハッチバック。現行プリウスが出たとき「トヨタさん、またですか)」と私は感じた次第です。
ただ、インサイトも次期プリウスの記事を見ても私はちっともワクワクしない。てやっぱり私は古いタイプの人間なのでしょうね。
Honda Insight インサイトが失敗する理由
Honda New Insight インサイト コンセプトモデルの駄文を書いてい
まさか「インサイト」という名前で出してくるは思いませんでした。プロトタイプの写真を見る限りはデザインは私好みです。
私は今まで、来年4月発売のプリウスを購入候補No.1に考えていましたが、今回のインサイトを見て迷い始めました。というか完全にインサイトに心が傾きました。
一番の理由は車幅です。インサイトは5ナンバーサイズ。これは私にとって大変嬉しいです。対してプリウスは1750mmほどという噂。正直、この車幅は私の使い勝手に於いて大きなマイナスです。
まぁ、あとは発売されてからのお楽しみですが、実燃費ですね。
国沢さんの記事で、市街地で20km/Lを達成する可能性も、とのことでしたので非常に期待が持てます。
ホンダのIMAはシステム出力のうち、エンジンの比率が多いようなので、トランスミッションもプリウスとは違い、コンベンショナルな方式のCVTに近い物と認識しています。
そこで期待するのは、マニュアルモード付きの変速機構になるのではないか?ということです。
山道などはエンジンブレーキやトルクを自在にコントロールしたいという気持ちは、たとえエコカーに乗り換えたとしても変わりません。
次期プリウスは、先日、シフト周りのスクープ写真を見ましたが、現行型のシフトパターンに似ていたので、恐らく現行型と同じ「Bポジション」の回生ポジションのみで、全自動動力分割での走行になるのだろうと思います。
まぁ、それが一番燃費効率がいいのは想像できますが・・・
そしてデザイン上の話ですが、両車ともリヤブレーキがドラム式という点が私にとってはマイナスです。
何かの本で見ましたが、ディスク式だと、どうしても軽く引きずる状態で走ることになるので、燃費にマイナスだとのこと。
これは事実なのでしょうか?
私の好みでは欧州仕様のリヤディスクブレーキのほうがカッコ良く感じます。勿論、制動性能に関してはドラム式で全く問題ないと認識しております。
今回のインサイトの発表で、ついワクワクしてしまい、長文になってしまいました。
来年は久々に車選びが楽しい年になりそうです。
シングルモーター式ハイブリッドのインサイトがシステム出力98psにも拘らず、ドイツのアウトバーンで時速197km/hをマークしたのはやはり壮挙だろう。
同データは182km/hの公表値を上回るだけでなく、ルノーメガーヌ2.0(140ps)やフィアットクロマ2.2(147ps:日本未発売モデル!!)のAT車に匹敵するもので動力伝達の効率は一定以上のものに他ならない。
それだからこそ安普請な造り、無駄も多い中途半端なパッケージング、乗り方による燃費の激変振りなど改良の余地が多いことが惜しまれる。