インサイトの本質

オールアバウトの記事では少しボヤけた表現になってしまったものの、インサイトの面白さは「ハイブリッドシステムをエンジンバリエーションの一つ」と位置づけたことにある。ややこしいメカニズムを使っていないため、フィット級のエンジンルームに入る1,3リッターエンジン&ハイブリッドユニットと、床下に収納可能な薄型の小型バッテリーを組めばどんなクルマもハイブリッドになってしまうのだ。

もし標準エンジンの30万円高以下で全て済むなら、後処理装置に莫大なコスト掛かるディーゼルエンジンより安価。ポスト新長期やBIN5、ユーロ6をクリアするクリーンディーゼルは、1,5リッター級のパワユニットだと下を見てガソリンの40万円高くらいになる。グリーンマシンの『002』はCR-Z。『003』がフィットのハイブリッドだろうけれど、いずれも思ったより安価に価格設定になるハズ。

こうなると焦るの、「燃費よりパワー」という誤った戦略を選択してしまったトヨタです。インサイト対策としてプリウスの廉価バージョンを出すものの、次なる手が出せない。廉価版の小排気量ハイブリッドシステムを開発中ながら、最短で1年半くらい掛かりそう。次世代ハイブリッドを出すまで廉価版現行プリウスの販売を続けるか? 完全に出遅れたのがハイブリッド嫌いのゴーン大社長率いる日産だ。

日産はプリウスクラスとクラウンクラスの2タイプのハイブリッドの選択肢を持っていたのだが、ゴーン大社長ときたら後者を選んでしまった。今から急いでプリウスタイプの開発に取り組んでも2年以上掛かるだろう。インサイトのような小型の廉価版についちゃ”卵”さえ無い。いずれにしろ間に合わない。日産も三菱と同じ小排気量エンジンを搭載する廉価版コンパクトカーで当面頑張るしかないと思います。

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7 Responses to “インサイトの本質”

  1. G35X より:

    ホンダ グリーンマシン「002」… これはホンダ得意の高回転数エンジンとその低速トルク不足を補う電気モータで運転の楽しい車にしてもらいたい。面倒な可変バルブタイミング装置も不要かも… 「003」はGMボルトのようなエンジン>モーター直列型で、エンジンはスロットル開きっぱなしで70馬力かそこらの低速高能率型、例えば1200ccのアトキンスサイクル、で常時発電機を回し、せいぜい8kWh程度のGSユアサ電池をバッファーとしてモーターを動かしたらいかがでしょう。トランスミッションが簡単になり、価格も電池しだいで安くなりそう。

  2. ぴーうぃ より:

    国沢さんは子供のころ「未来予想図」なるものを描いたことありますか?
    ちなみに私はあります。私の未来予想図では、2009年といえば電車は透明チューブの中を走り、自動車は地面から浮き上がって走ることになってます。
    ところが現実はどうでしょう。車は未だに化石燃料で走っています。さらに、産油国の生産調整や米投機筋の都合によって乱高下するガソリンの値段に我々庶民は振り回されるばかり。なんですか?このショボい未来は(笑)もう、いい加減こんな化石燃料から卒業しましょう。
    けれども、今日明日には電気自動車、燃料電池車の世の中になるわけない。となると、「まずはハイブリッド」となるのでしょうね。ハイブリッド車が普及することは「自動車を浮かせるため」の偉大なる一歩だと勝手に思い込んでいます(笑)
    Good News。私の未来予想図の中は車で溢れてますよ。車を必要とする人口の増加を考えても、常識的に考えれば自動車市場が縮小することはないハズです。だから現状を「車離れが進んでる」のひとことで片付けないでください。メーカーも国もその辺よく考えた方がいいです。
    特に国!(怒)未来の車社会に向かってキチンと水が流れるよう手助けしてあげないといけません。おっせかいに書き連ねるならば、HBD、電気自動車に対する税制優遇恒常化や軽自動車枠の継続などです。
    すみませんトピックから逸れました。

  3. ZZMG より:

    物事をゼロから立ち上げるのは大変ですが、立ち上がった物を改良するのはそれよりは楽かと。リチウムイオンバッテリーの生産性が向上してますから意外と他社も早く追随できるんじゃないかと思っております。
    むしろ近い将来問題となるのはハイブリッドに関わる様々な特許の扱い。トヨタは多額の先行投資をして得たノウハウをどう扱うのでしょうか。裁判沙汰、いや国家レベルの紛争になるかもしれません。

  4. たかきゅ〜 より:

    インサイトをディーラーで見てきました。試乗はしておりませんので見た感じの印象ですが、少し残念な思いがしました。コンパクトサイズに仕上げたのは良かったものの背が低く、室内も思った以上に狭く感じました。特に後席については頭上が低く耐えられないと思いました。
    一人で、もしくは二人で乗車のデートカーといった印象で、購買層は狭いと感じました。イメージ先行用なのかもしれませんね。
    個人的には、買うならプリウスの継続販売車、もしくはもう少し待ってフィットのハイブリッド版にするのが良いかと思います。

  5. 山坊主 より:

    国沢さんの言うように、もしインサイトのハイブリッドシステムが20万高で使い回しがきくなら、ライフにターボの代替としてのせれば、とてつもない車(シャシは強化する必要があるでしょうが)になると思います。ホンダがこれから軽を強化するとアナウンスしたのもさすがですね。

  6. tuty より:

    トヨタってちょっと前まで「マイルドハイブリッド」やってませんでした?あれってホンダ方式と似たようなやつでは??

  7. 厳冬期 より:

    002は現行シビックハイブリッドです。
    公式のオープニングフラッシュに既に書いてあります。

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