ヤンマー ハント24
釣り好きから圧倒的な支持を得ているヤンマーながら「一般的なマリンレジャーに使えるフネも作ってみたい」という気持があるんだと思う。ハント24のカタログを見ると、見開きから現役を卒業なさった先輩世代をイメージした雰囲気写真が使われています。コッパずかしくなる絵柄ですけど。
傾いた時に強い側面浮力(復元力)を持たせた艇体設計を持つ
さて。ボートデビューの人にとって最も高いハードルになっているのが価格。イキナリ1000万円とか言われたらビビる。かといって200万円で買える和船+船外機だと荒れた海じゃ厳しい。ヤンマーが出した回答は、1)本格的なディーゼルエンジンを搭載する、2)手頃な価格の、3)荒天に強い24フィート艇だったワケ。
試乗艇は557万円の115馬力仕様
例えば2リッター4気筒93馬力のディーゼルエンジンを搭載するキャビン付きのモデルで価格は437万円。このクラスのディーゼル艇としちゃ圧倒的に安価である。燃料コストも同じサイズのガソリン船外機と比べれば低い。20ノット巡航なら13〜14L/hとのこと(船外機なら25L/h程度)。
オトコ仕様だからしてエンジン音は大
早速試乗と行きましょう。スロットルを開けていくと、おおおお! トラッドなディーゼルの味であります。一昔前の自動車ディーゼルエンジンと同じく大きなターボラグ付き。2秒くらいするとブースト圧が上がる。振動&騒音も限りなく低いトヨタのディーゼルエンジンの対極にある感じ。
今日も大漁だ〜! って?
「演歌の味」と言い換えてもよかろう。「ぐろろろろろ〜っ!」という勇ましい音を響かせて加速していく。115馬力仕様だったこともあり、なかなか元気! 3千回転で21ノット。全開にすると3700回転くらいまで回って27ノットまで出た(93馬力仕様は最高速で3ノット遅くなるそうな)。
インテリア基本的に何も付いておらず
走りは荒れることの多い日本の外洋を知り尽くしたヤンマーの設計だけに、安心感あります。重心低そうな上、艇体(ハルと呼ぶ)の構造も傾いた時の浮力を確保したタイプ。速度さえ抑えれば相当の波高になっても帰ってこられるタフさを持つそうな。ぜひ一度ヤンマーのフネで荒天を体験したいもんだ。
船首の小部屋は快適なベッドスペースになってくれる
インテリアは全てオプション対応。フロント部分の小部屋に身長183cmの私でさえ余裕で寝られるベッドスペースを確保してるが、マット類無し。トイレスペースもあるが標準仕様だと単なる荷物スペース。そればかりか運転席シートすらオプションだったりして。装備を欲張るなら100万円分くらい考えておこう。
ヤンマーだけの特殊な装備であります
ヤンマーの便利装備がチルアップすると完全に露出するドライブ。繋留保管する人は、ドライブのメンテ(水中のままだと貝が付着します)という点で大いに楽チンである。いろんな意味でヘビーデューティなのだ。釣りが80%。20%くらいプレジャーボートとして使うような人にすすめたい。
安全でメンテナンスが楽。入門艇にピッタリかもしれません
サイドウォールが低いため、小さいゲストを乗せるときは転落に対する注意をしなければならない。大人であっても航行中は必ず座ってもらうべき。ちなみに寒い時期や雨の日もフネに乗りたいという人は、キャビン後部にドアが付くタイプを選べばOK。見た感じもプレジャーボート風になります。
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