タカタのエアバッグ、全部リコールの可能性

不確定要素が多いため、私のWebだけの内容です。このところのタカタのエアバッグ問題を見ていると、生産管理や湿気ということより、どうやら炸薬として硝酸アンモニウムを使うことこそ問題だとする評価が強まってきているように思う。その象徴は、リコール範囲の拡大です。

当初、リコール対象は2001年以前に生産された炸薬だった。この時点での見解と言えば「生産管理のミスにより湿気てしまい異常爆発する」というもの。アメリカでも高温多湿の地区に限られるという説明。2001年以降に生産された炸薬については心配なしという判断である。

しかし直近になって2008年生産の炸薬までリコールの対象になってきた。リコールの見解は「湿気て異常爆発する可能性がある」。2008年以降生産の炸薬から内部に吸湿剤を入れたため心配無いという。つまり吸湿剤を組み込んでいない炸薬は全て異常爆発の可能性ありということ。

この時点で2008年までに生産された炸薬は、全てリコール対象になる可能性が大きくなってきた。というか、次々とリコールになっていくと考えるべきだ。とは言え、2008年以降の炸薬が全て問題ないと言うことであれば、さらなる拡大無し。時間掛かるかもしれないけど収束する。

ところが、である。2~3日前から硝酸アンモニウムという材料が危険だという評価も出てきた。参考までに書いておくと、硝酸アンモニウムは火薬や爆薬として使われる。少量で威力大きく反応速度も速く、体積変化大きい。上手に使えばエアバッグの炸薬として有用。

タカタ以外のメーカーが炸薬として使っているのは、固形ロケットの推進薬として使われる硝酸グアニジン。硝酸アンモニウムより性能低いけれど、安定しているという特徴を持つ。他のメーカーがなぜ硝酸アンモニウムを使わないのかと言えば、信頼性の問題だという。

よく似てるのがリチウム電池の正極。パナソニックは性能良いけど燃えるニッケル正極を開発し(後に断念)、その他の陣営は性能低いが燃えにくいマンガン正極を使った。パナソニック、自動車メーカーの猛反対無ければ、今頃ニッケル正極のままだったかもしれません。

もし硝酸アンモニウムが異常燃焼の要因になるということになれば、現在生産されている炸薬も危険だということになる。この情報、間違いだと思いたいです。ただホンダなどの動きを見ていると、硝酸アンモニウムを使わない炸薬の採用を増やそうとしている。

なるべく早い時期に正確な情報を出して欲しい。

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