デザイナーもアタマの中を変えなくちゃアカンです

20年前と明日のクルマを比べると技術的に大きな違いがある。大きく分ければ3つ。ヘッドライトとラジエターグリル、バンパーです。下は初代シビック。フロントを真正面から見たら、ほとんどの面積がヘッドライトとグリル、バンパーだ。この3つの要素をどうやって組み合わせるかでフロントデザインが決まってしまう。グリルだって大きいためブランドの統一感も出せる。

もちろん古いクルマの文法をそのまんま使っているケースだってある。シビックのタイプR、LED化により小さい面積で済むヘッドライトを大きくし、グリルの面積だって大きい。高性能モデルなので仕方ないですワな。しかもオジサン世代からすれば安心感ある。昭和好きな今の若い人達も「懐かしい」という感覚でこの手のデザインを好むという。

はたまたエスクワイアのようにグリルとヘッドライトのモンスターのようなクルマもある。エスクワイアの前面からヘッドライトとグリルを取ったら、僅かな面積しか残らない。もっと言えばライトとグリルだけ変えたら全然違うクルマになっちゃう。それはそれで面白いと思いますが‥‥。ただデザインって「3次元」をまとめ上げる妙味もあるんじゃなかろうか、と思う。

さらに時代はEV。ヘッドライトのLED化だけでなくグリルも小さく出来るようになった。デザインを売りにするマツダがどんなEVのデザインを提案してくるかとワクワクしたけれど、電気自動車用として出してきたMX-30を見て「う~ん!」。新しい提案をしてこなかった。ホンダeなども顔つきはガソリン車と全く同じ。マツダとホンダのデザイナー、案外アタマが硬い?

アタマの硬さじゃメルセデスも同じ。いや、さらに硬いです。グリルなんかカンペキにイミテーション。ヘッドライトだってハロゲン使ってるんじゃないかと思うくらいデガい! 電気自動車に見えない。ワクワク感、皆無でしょう! 子供の頃に見た21世紀のクルマとほど遠い。こんなデザインのままじゃ新興勢力に勝てないと思うのは私だけか? 

グリルレスが得意かと思ったポルシェもダメ。そもそもタイカン、テスラのモデル3にサーキットで勝てないのに加え、デザイン的にも美しさの反対側にある。街中で見たけど気持ち悪い。カッコ良くて美しい911の面影すら無し! マカンだって911の雰囲気を感じさせるのに。私は乗っても失望した。同じ金額を出すのなら、0,1秒も迷うことなく911を選ぶ。

そんな中、今までガソリン車を作ったことのない勢力のクルマが出てきた。TOPバッターはテスラです。そして最近になり中国から新しいデザインテイストを持つ電気自動車がドンドン出てきた。下のクルマ、グリルもヘッドライトも明確なバンパーも無い。それでいてテスラと違う。日本勢の中で最初にアタマを切り換えてくるのはどこか? bZ4Xは新しいと思う。

 

<おすすめ記事>

コメントを残す

このページの先頭へ