マツダ難しい舵取り

マツダはフォードと一緒に立ち上げたアメリカのフラットロック工場から撤退し、住友商事と組んでメキシコに工場を立ち上げるという。メキシコ工場で作ったクルマはNAFTA適用となるため、無税でアメリカに持ち込める。まぁアメリカからメキシコに雇用を移すという意味です。これ、非常に難しい舵取り。

言うまでもなく加州で同じようなことをやったトヨタは激しいバッシングを受け、徹底的に叩かれた。工場を閉めなかった方が金銭的にも得だったと思う。トヨタの場合、先に抜けたのGM。残ったトヨタは工場を閉めるという決断をしてしまった。されど今回マツダの先抜け。フォードも困っているという。

参考までに書いておくとフラットロック工場の生産能力は年産24万台。マスタングを生産しており、2010年実績で7万4千台。もしマツダが抜けたなら、フォードだけで工場を維持していけないと言われている。そんなことからアメリカでも「マスタングの生産を止めるのか?」みたいな話題になり始めた。

しかし現時点でアメリカに流れているのは「販売不振のマツダが防府工場に生産を移す」という比較的同情出来るストーリーであり、生産コストを下げるため「アメリカの労働者を切りメキシコで作ってアメリカに持ち込む」となっていない。もし正式な発表あれば、なかなかシビれる展開になる可能性大。

ちなみにフラットロック工場から撤退するというニュース、未だアメリカじゃ大きな話題になっていない。アメリカのマスタングファンなどがNHKニュースを仕入れてきて「どうなるんだろうね」と心配している段階。そういった意味からすれば、現時点でアメリカの反応は無し。問題出てくるとすればこれからです。

ただ商社は空気を読むのが商売の原点。単独の判断でヌーミーからの撤退を決めたトヨタとは少し状況からして違う。上手なハンドリングを出来ればスンナリ進む。というか、もし波風立たずに粛々と工場移転が出来たら、やっぱり商事会社の手腕は凄いと感心するしかない。雇用は最も難しい問題ですから。

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1 Responses to “マツダ難しい舵取り”

  1. COLT より:

    マツダにとって「住友」は両刃の剣ですね。
    かつての5チャンネル体制は住友銀行がじゃぶじゃぶマツダに融資したから・・・でもだからこそユーノスロードスターの企画が通った訳で・・・複雑な心境です。

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