交通事故のTV報道で「警察が詳しく調べています」というけれどホントに詳しく調べているのか?

事故の報道でいっつも気になるのが「警察が事故の原因を詳しく調べています」という結び。事故あれば警察が調べるのは当たり前だろうし、それだって「調べています」でいいのに”詳しく”を付ける。そもそも詳しく事故を調べているのだろうか? 御存知の通り軽自動車を除く(最近は軽自動車にも付く)エアバッグ装備車は基本的にEDRが付いていて多くのデータを残す。

多くは「スピードの出し過ぎでハンドルを切り損ねた」

エアバッグが展開すると最もシンプルなEDRですら衝突時の速度、減速G、アクセル開度、ブレーキ踏んでいるかどうかまで解る。トヨタのハイブリッド車であればブレーキ踏力やその他、数多くのデータが残っている。したがって民間人だと難しい領域を乗り越え”詳しく”調べれば、事故原因の多くは解ると思う。しかし! 衝突時の速度を発表した事故、見たこと無い。

EDRのチェックなんかやってないように思う。事故現場に行きブレーキ痕(ぷっ!)を探し、巻き尺で道路のカタチなんか測り、事故当事者を取り調べ「悪いのはあんたね」でオシマイかと。死亡事故なら亡くなった方の証言を聞けないため,無くなった方の原因あったような処理も多い。いわゆる「死人に口なし」です。警察としては「悪いやつ」が確定できれば一件落着かと。

一方、自動車業界は事故死者を無くしたいという方向で動いている。運転ミスだったとしても、何でミスしたのか? 警察としては「道路の構造が悪い」みたいなことになると困るのだろう。ミスの原因すら解らない。先日、幼稚園バスと軽自動車が十字路で衝突する事故があった。あれなんか軽自動車側の道に優先道路標識も一時停止標識もない。明らかに道路管理者の責任だ。

https://youtu.be/8g4G9UtOCxs

同じ角度のまんま近づくのがコリジョンコース

されど警察は道路管理者を罰することなどしない。道路をたくさん作りすぎた結果、管理が行き届かない道路はいくらでもある。今後も高齢化で認知能力が低くなってくることを考えたら、十字路の出会い頭衝突は抜本的な対策を必要とする。自動車業界からするとコリジョンコースの事故ってムカシから課題になってます。”詳しく”調べたら、どこに原因あるのか解ると思う。

ぜひとも事故を”詳しく”調べて頂き、個人情報などは不要なので事故データを公開して欲しい。そうすれば事故の概要は推測出来るし、クルマ開発においてもどういった技術を開発すれば事故を防げるのか解る。先日トヨタで安全性についての技術を取材した際に強く感じたのは「出来るだけ多くのデータが欲しい」だ。警察は事故を”詳しく”調べているならぜひデータ公開を!

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