今年最大の課題はエネルギー問題の解決策を決めることです

欧州委員会が原発をクリーンエネルギーとして認める方向を打ち出した(現時点では決定じゃない)ということで原発推進派だけでなく消極的な推進派(表向き原発は無くすべきだと言ってみるが他にチョイスねぇだろ、という人達)も日本がカーボンフリーを目指すなら原発は必要だと言う方向に話を持って行こうとしている。こういった人達って地学を考えていない。

原子炉だけになったらアウトです。イラストはTEPCO

日本と欧州の決定的な違いは簡単に言ってしまえば地震と火山の有無です。欧州で地殻変動ある地域は非常に限られている。フランスとスペイン国境にあるピレネー以西と、イタリア半島の南だけといってよい。興味深いことにこの地域を見ると原発が見事に一つもありません。一方、日本の場合、地震や津波、火山の噴火から逃げられる場所って”ほぼ”無し!

参考までに書いておくと、原発の設計で最も大切なのは緊急停止時の安全性確保。何度か書いてきた通り大型旅客機の脚は、多段のフェイルセーフ構造になっている。メインの油圧がダメになったら、モーターで動かす。電気系も油圧系も動かなければ外側にプロペラ出して発電し、それで動かす。さらにダメなら重力で下に落とし、圧縮ガスでロックする。

プロペラ出している珍しい動画

さらに入念なのが原発で、5つくらいの異なるロジック&系統で緊急停止させ、安全性を確保する設計になっている。しかし! 福島第一で起きたのは、揺れと津波により補機類が全て破損したり破壊されたりするという想定外の出来事だった。考えて欲しい。原子炉は大型航空機の直撃に耐えると喧伝されているものの、補機類全て壊れれば福島第一と同じ状況になります。

日本を地学的に考えたら豆腐の上に地盤が乗っているようなもの。発電に使った放射能のゴミを原発の近所に500mの穴掘って捨てようとしているスカンジナビア半島の地盤は19億年前から安定している。今後数億年動かない。そこに放射能のゴミを捨てたって10万年すれば危険性無くなる。日本の原発の近所に10万年以上安定している地盤などありませんがな。

日本みたいな場所なら太陽光や風力、地熱など自然エネルギーが豊富に確保出来る。地熱を原発代わりのベース電源にして、太陽光や風力を使用量の3~4倍確保。余った電力で水素を作り火力発電したり水力発電所の揚水(下のダムから上のダムに水を揚げる)に使ったりして平準化を図ればいいだけ。こういった動きにブレーキ掛けているのは、全て原発利権。

下は北海道の泊原発の近所にある漁港の倉庫。こんな建物すら原発利権で作られている。ちなみに巨額の誘致費用、原発の発電コストに含まれていない。我が国の電力が高いのは原発あるためです。火力発電と自然エネルギーだけなら、3分の2以下の電力料金になる。ただ原発利権を糾弾しても話は前に進まない。利権の魅力って麻薬と同等。やめらないっす!

ということで政治家に御願いしたいのは、地熱発電などの利権です。新しい利権構造を作る。100歩譲って原発利権を得ている人達にそのまんまバラ蒔き原発反対派になってもらったっていい。次の世代の安全や安全を考えたら原発残しちゃアカン。貧乏国になったら、福島第一の廃炉や汚染水の対応すら出来なくなる。現在の原発の廃炉費用すら莫大な借金だ。

そうそう。太陽光発電は自然災害を起こすと言ってる人も、原発推進派。今や我が国の休耕地は30万ヘクタールを超える。お日様当たる平坦地です。原発利権を守るため、休耕地で太陽光発電すると巨額の税金を掛けてる。そいつをやめれば15ギガ(大型原発15基分)の太陽光発電が出来る。また営農型太陽光発電を行うと農家の収入だって大幅に上げられるだろう。

政府や行政は電力会社に責任転嫁しようとしているが、国政の問題です。

 

<おすすめ記事>

コメントを残す

このページの先頭へ