国交省、そろそろ矛を納めないとホンダなんか本社をアメリカに移します。トヨタだって豊田章男さん次第

2023年度ホンダが1兆円の収益を上げた内訳を見ると、大ざっぱに言ってアメリカの新車販売とアメリカのファイナンス(金融)、新興国のバイクが3分の1づつである。日本は収支トントン。私のような仕事で言えば、アメリカと東南アジアのメディアで書いた原稿料で収益を確保し、日本では取材ネタを探すことと日本向けの原稿書きをしているようなものである。

出稼ぎ状態ですね。当然ながらアメリカからは「収益の大半はウチなんだから本社も移転して欲しい」となるだろうし、タイあたりから「2輪事業は東南アジアに本拠地を置いて欲しい。優遇しますよ」。1兆円の収益を上げるホンダがアメリカに軸足を置くと言えば、アメリカは大歓迎してくれることだろう。東南アジアだってタイやベトナムベースにすればいい。

そもそもホンダは日本からの輸出が限りなく少ない。アメリカは現地生産が大半を占める。部品すら現地生産。日本からの輸出はほぼ無し。バイクも収益の大半は海外生産だ。開発拠点やテストコースまで海外に持っている。今や分社化し、4輪はアメリカ。2輪はタイをベースにする方が自然かもしれない。そうしないのは日本が好きだから、という理由のみ。

アメリカ工場でホンダは1982年から41年間で3千万台生産

日産が日本で電気自動車事業に躓いたのも日本企業だからだ。国交省、電池のレトロフィット(新型電池への載せ替え)をついに許さなかった。アメリカでは新型の電池への載せ替えをやってましたから。日産によれば国交省が認証を理由に新世代電池への載せ替えを認めてくれなかったという。日産がアメリカ企業になっちゃえば、国交省はスルーすることだろう。

トヨタだって日本から出て行くかもしれません。こらもう豊田章男さん次第。トヨタも分社化し、いわゆる「トヨタホールディングス」にする。4輪事業は例えば日本、アメリカ、タイ、ベルギーなどに分散し、それぞれの国で税金を支払う。すでにそういった検討は何度も行われてきているようだから、豊田章男さんが「もはやこれまで!」と思えば実行に移すのみ。

自動車産業が軒並み海外に本拠地を移したら、我が国は「貿易+貿易外収支」の合算でも赤字国に転落すること間違いない。自動車に変わる新しい産業も無し。国交省が嫌がらせをしようとしても、アメリカの企業なら外圧を掛けられてオシマイだ。原稿を書いていて「事実上海外の企業みたいなホンダがよくガマンしてるものだ」と思う。優良企業は役人や政治家と違い海外でも活躍出来ます。

国交省の官僚が悪いのか斉藤国交相が強硬なのか不明ながら、自民党も公明党もそろそろ納めた方がいいと思う。

 

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18 Responses to “国交省、そろそろ矛を納めないとホンダなんか本社をアメリカに移します。トヨタだって豊田章男さん次第”

  1. cvt より:

    これに関しては全く同感ですね。

  2. スコップくん より:

     逆に言うと何がそんなにお役人を怒らせることになったのかが知りたいところではありますが、(プライドを傷つけられた、逆らったということが気にいらないんでしょうけど)もう引くに引けなくなっているんでしょうね。
     それより不正は無かったと言ってる(正確にはあったとは報告しなかった)会社もNAエンジンの最高出力値なんか調べられたら、どこもアウトなのではないかと思います。

    • pepe より:

      役人はメンツなんですよ
      お前らは言われた事だけやればいい、通達した事以外はするなという事です
      彼らが何に対してプライド持ってるかと言ったらルールを作ってそれに従わせるって事なんです。そのルールから外れた事をしたから切れてるんです
      昭和からアップデートされてませんから

  3. アミーゴ5号リボーン より:

    日産が初代リーフを発売した時、志賀さんは様々なバッテリー構想を表明していました。実現しないのはゴーン事変が原因だと思っていたけど、木っ端役人が足を引っ張るケースもあるのですね。まあ例によってというか、何と言うか。。。

    ホンダについても、本田宗一郎さんと藤沢武夫さんがご存命なら、国交省になんて言うかな。

    きっと宗一郎さんは、一升瓶を抱えて国交省に行って「オタクの担当者は、厳しい条件でクリアしたら認証すると言ったんだぞ。頼むから、メーカーのせいにして、足を引っ張るはやめてくれ!」と直談判したんじゃないかしら?

    もっとも最近の大臣は、顔も名前も知らない降って湧いたような政治家ばかりで、各省庁の裏番長の言いなりでしょう。きっと宗一郎さんの迫力に尻込みして、話もできないでしょう。

    と思い切り好き勝手に、妄想しております、はい。

  4. 名無しのスバリスト より:

    今現在は円安が進んでて企業の国内回帰が強まる風潮になっているので
    自動車企業が海外に移転するかは微妙ですが、政権を問わず保守的な国交省は国益を損なってる自覚を持つべきですね

  5. cvt より:

    また、国交省は中国BYDを簡素な書類審査で日本市場での販売を許可してるそうで、それもおかしいと思いますね。
    ダブルスタンダードでは?

  6. ぬこ より:

    本社を海外に移したほうが良い車が出来そう。軽やってるとこだけ日本に残る。

  7. グレイス より:

    まったくおっしゃる通りです!国交省大臣韓国ヒュンダイや中国BYDに忖度したと思います!

  8. てつ より:

    “優秀な人(企業)は海外へ!”みたいな事が身近なところで起き始めていますね。
    トヨタ、ホンダが出ていけば政治家や官僚も目を覚ますのではないでしょうか。
    その時は手遅れかもしれませんが。

  9. youcat より:

    各メーカー単位ではなく自動車工業会として、「日本に嫌気が差したので各メーカー及び関連会社の本社を、それぞれのメーカーが得意とする市場へ移します。現在の本社は『日本市場における現地法人』として引き続き製造・販売を行いますのでユーザーの皆様はご安心ください。質疑応答は受け付けません!以上!終了!!」くらいのクーデターが起こりそうですね…。
    国交省含め、ネガキャン勢力にはそろそろ得意の掌返しで矛を収めてもらわないと…。

  10. トヨタ車ユーザー より:

    新聞各社は、自動車メーカーの広告がwebに偏っていることがよほど許せないのでしょう。やっかみですね。政治家・役人は袖の下が少ないとでも言いたいんでしょうか。
    不正だ不正だと騒いで記事にしても、新聞社がそれを正せるわけでもなく、ちょっと車に詳しいおじさんの休み時間中の話題にしかなりません。
    外国は例えば欧州のほうが自分で車をよく調べるから、チクリがあっても「ふん、これくらいの事…」(スズキのブレーキがフェードしちゃうかも以外)となるんじゃないかと思います。
    方法や条件に不正がなかったのなら、開発中のデータを持って来てもいいと思います。わざわざ認証のため(役人に見せるために)車ぶつけるのも超アナログでもったいない話ですし、量産してからの性能・再現性も考慮して試験しているはずなので、問題ないと思います。

  11. evファン より:

    インボイス、少子化対策の保険料上乗せ、森林税
    増税メガネは、役人の言いなり
    水素社会とかブチ上げて水素自動車作らされたトヨタもハシゴはずされた
    国交省も負けじとやりたい放題ですよ
    国会が役人を抑えられなければマトモな国にならない

  12. トヨタ乗り より:

    新聞販売店のバイクは電動必須にして欲しい
    坂道の途中に住んでるとあちこちの新聞のバイクが朝の四時とかな時間に何度もブオーーンとアクセル全開で行ったり来たりして寝てられなくなる

  13. 国産車が高くなった一因 より:

    なぜ国内メーカーばかりこんなことになっているのか不思議だった
    個人の尊厳のために国益を削っている状況なんですね
    物作りに長けている人が、そうでない人に掌握されているというのが歯痒いですね
    でも国産車以外乗れませんけどね

  14. きむ より:

    トヨタが移転すれば日本沈む。これぐらいバカでもわかる

  15. mrt より:

    国交省基準に対する不正が事実として、何年も前にわかっていたのに、なぜ今頃になって騒ぎ出すのか?その間の国交省の職務怠慢を指摘するマスコミの報道がないのも不思議ですね。この件に関して経産省が全く動かないのも不思議です。JISを始めいろいろな標準規格をリードしてきた経産省も職務怠慢ではないのでしょうか?

  16. カカオ より:

    現場を知らないお役人はこわいですね。数字だけで平気で言っちゃうんたから。これがきっかけで日本がおかしくなったら全責任を取ってもらいましょう。

  17. Otaku より:

    めっちゃ気持ちわかる。
    CMに女優を起用したBYDもヒョンデも売れなければいずれ日本市場から撤退するだろうけど

    欧州と違って古い車に課税をかけるやり方は古い車を愛する自分には悪でしかないが、新車販売促進には一役買っているはず

    前にあった新型プリウスのリコールも大した問題ではないと思う
    先にあげた韓中のEVが発火したり暴走する事故が起きた事実はあるものが、日本のEVではゼロという事実

    日本の主幹産業がこれからどうなるかは楽しみ

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