自民党、ガソリン暫定率廃止の財源として走行税を導入すると言い出した。バックは石油連盟か?
ガソリン暫定税率廃止が視野に入ってきている中、自民党は財源確保策として「走行距離税」の導入を検討しているようだ。萩生田経産相時代の2022年1月から始めた石油元売りに対するガソリン補助金は年間2兆円規模をつぎ込んできたのに財源の話なし。現在進行形で7700億円を使う補助金を投入しており、結果的に石油元売りを太らせている。
自民党に走行距離税を強く働きかけてるのは自民党の組織票である「石油連盟」だと大手メディアが伝えている。石油連盟からすれば目下の脅威は電気自動車。以前から「電気自動車は道路を使うのに税金を負担しないのはケシカラン!」と言い続けている。100歩譲って道路を維持するために使うのなら論議の余地あるだろうけれど、ガソリン諸税は一般財源だ。
加えて電気自動車の販売比率って2%に届かない。そこから走行税を取ったって雀の涙にもならない。単なる嫌がらせです。ちなみに2050年のカーボンニュートラルや、2030年までに2013年比で46%の二酸化炭素排出量削減に向け、今から電気自動車(太陽光発電とセットなら一段と望ましい)を買う人は先進国の仲間に留まるため必要なボランティアと言って良い。
さて。走行距離税とは文字通り「走った距離分の税金を払え」というもの。現在はガソリン諸税が事実上の走行距離課税となっている。その暫定税率分を廃止し、新たな走行距離税を立ち上げるというのだから小学生にも解るオタンコな話です。これを「やろう!」としている自民党の皆さんは優れた学歴を持って居るだろう。バカらしさを認識していると思う。
しかもガソリン諸税より徴収方法が難しい。距離計で課税するのは乱暴過ぎる。車検時くらいしかチェック出来ないからだ。前回の車検から少しでも距離が増えていればオドメーターの数字を変えたって解らない(書き換え業者出てきます)。全ての車両に特殊な計測器を付けるという方法くらいしか考えられない。役人からすれば新しい仕事が出来て大歓迎でしょうけど。
正確な課金システムを作ったとしよう。年間3000kmくらい15km/Lのクルマに乗る人であれば消費量200L。現在支払っている暫定税率分は5400円である。これだけの金額を走行課税で収受するのにかかるコストってどのくらいかかるのか? 考えれば考えるほどアホらしくなる。そんな走行課税を自民党に強く迫る石油連盟が一番アカンように思えます。
ここは自動車関連の税金を全て特定財源に戻し、道路インフラのために使うようにしたらいい。また、近年は交通量少ない山の中にも自転車走行レーンのペイントをしているなど、自転車にも税金を投じている。自転車も登録制にして税金と事故に備え自賠責保険を義務づけることを考えたっていいと思う(その代わり自転車が安心・安全に走れる道路環境を整える)。
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