韓国LGケムのリチウム電池が世界規模で大リコール! アメリカでは「家の近所に止めるな!」

GMは2019~2022年に生産された電気自動車『シボレー・ボルト』で8万3千台のリコールを発表した。昨年11月にも2017~2019年に生産した6万8千台のリコールを出しているため、合わせてほぼ全てのボルトに相当する14万1千台がリコールということになった。さらに新車は販売停止するというので、現在進行形で問題が解決していないということになります。

リコールの内容は韓国LGケム社が生産しているリチウム電池。昨年のリコール時までに5台が燃え、その後も同じトラブルを出していることらしい。GMがボルトのユーザーに対し「充電は90%までに抑え屋外に駐車。残113km(70マイル)以下まで使わないよう」と呼びかけ、NHTSA(日本の運輸省自動車部門)もボルトは燃えても安全な場所に駐めろと言ってる。

酷い話です。同じLGケムのリチウム電池を搭載する現代自動車の『コナEV』でも15件の火災によるリコールを出し、改修後も1件火災事故になり再度リコールを出している。LGケムのリチウム電池、中国からの情報だと日本で販売されている上海工場製のテスラ・モデル3(ロングレンジ用だと思われる。テスラは秘密が多く公開していない)にも採用されているようだ。

モデル3の発火事故はまだ報告されていないものの、同じタイプのリチウム電池を使っているとすれば、いつ火災が起きても不思議では無い。いずれにしろLGケムは今まで生産したほとんど全てのリチウムイオン電池でリコールを出すことになり、さらに安全な交換用電池も生産しなければならない。当然ながらGMだって大きなダメージを受けることだろう。

アウトランダーPHEVの火災事故

参考までに書いておくと日産と三菱自動車が使っていると電池は世界規模で1件も火災事故を起こしていない。以前アウトランダーPHEVが全焼したものの、この件については相当特殊な状況だったことが判明している。日産によれば「それでも燃えないようになっています」。改めて日本の安全意識の高さに敬服する。リチウム電池、かなりの技術力と生産管理が必要だ。

クルマに限らず、おそらく家の中にたくさん存在する中国製のリチウム電池の扱いに御注意を。少なくとも充電しっぱなしは危険。ということで今後有望なのが中国の得意分野になっている燃えないリン酸鉄リチウム電池です。材料豊富だから安価。充放電回数も3000回以上と既存のリチウム電池の倍以上。2022年に中国が持っている特許の効力切れるまでは、圧倒的に有利なのだった。

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