「ノアの生産を台湾でも始めることを検討」と中部経済新聞がスクープ。日本脱出計画開始か?

いやいや驚きました! 中部経済新聞がノア/ヴォクシーを2026年から台湾の工場でも生産し日本で販売すると報じた。もちろんトヨタの発表じゃ無いため真偽のほどは不明。されど中部経済新聞って地元に強固なパイプを持つ。大いにありえることだと思う。というのもこの件にはたくさんの伏線があり、全体の流れを考えると「でしょうね」になるのだった。

そもそもトヨタは販売台数と受注台数のバランスが慢性的に崩れている。普通、売れる台数に合わせた販売体制を作る。トヨタも新型コロナ前まではオーダーしてから納車まで平均すれば3ヶ月だった。しかし半導体不足などもあり、あっという間に納期が長期化してしまう。それでもトヨタは「半導体不足が収束すれば納期も正常化する」と思っていたらしい。

最新の納期情報

ところがフル生産になっても納期は短くならない。そればかりか、半数以上の車種が依然としてディーラーで商談すら出来ないほど長い納期になっている。トヨタ車の人気が高くなったためだろう。今や私のWebを読むようなクルマ通まで「次はトヨタ」とか「トヨタしかない」と言い始めるのだから驚く。10年前なら全く考えられなかった事態になってます。

今年に入ってトヨタの関係者と話をすると「生産規模を増やさないと対応出来ないかもしれません」。当然ながら工場を増やさないとならないが、問題は国内か海外か、だ。短期的に見れば円安のため、国内に工場を作った方が有利。でも為替って変動する。今日の為替で決めるのは危険。中国はリスク大きい。アメリカで生産したら高くなってしまう。

台湾ならどうか? 地政学的に近く、流通で便利。政治的にも日本と相性よい。ワーカーのレベルは高く国内の工場と同等の品質を同じくらいのコストで実現出来る可能性ある--といった他の国と違う魅力を持つ。タイはどうかといえば、遠いし政治的に少し不安定。日本の同じ品質を求めると割高になってしまうなど、様々な課題がある。

ノア/ヴォクシーなら台湾の市場でも売れる(台湾はウィッシュの後継モデルを熱望している)。いろんな点で妙味あります。台湾と中国の関係を考えれば不安要素あるものの、そんなこと起きたら日本本体だって自動車販売どころの話じゃなくなる。台湾からすると超が5つくらいつく「熱烈歓迎」だ。加えてトヨタの中で日本に対する気持ちの変化があったと私は考える。

折しも一般メディアの記者さん達と話をした際、何人かから「豊田章男さんは日本から出て行く気など全く無いのにブラフを言った。気持ちよく思えないですね」。興味深いことに「日本で売るクルマのため海外で増産する」という選択は、トヨタだけでなく日本の自動車メーカーが一度もやったことのない。前代未聞です。これをどう考えるかは読んだ人に任せたい。

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11 Responses to “「ノアの生産を台湾でも始めることを検討」と中部経済新聞がスクープ。日本脱出計画開始か?”

  1. アミーゴ5号リボーン より:

    モリゾウ会長のコメントを、単なるブラフと捉えている時点で、既に茹できったマスゴミガエルですね。

    塩対応どころか、後ろ足で砂を掛けまくる日本に比べて、トヨタを両手を上げて大歓迎してくれる国は、世界中どこにでもあるでしょう。

    ビジネスライクに徹すれば、日本では減産が吉だと思っています。

    トヨタは、東日本大震災の時に、東北の生産拠点を復旧・維持するだけでなく、拡大しました。反面、日産はとっとと縮小したと記憶しています。

    トヨタこそ、リスクを負ってでも、日本の国を第一に考えてくれている稀有な企業です。

    今回の台湾生産の件は、増産分だと思うので、国内工場の移転縮小ということではないと解釈しました。

    台湾が両手を上げて、満面の笑顔でトヨタを歓迎する様子が目に浮かびます。そしてそれを見て、自分達は何もしないのに、不平不満ばかりたれる政府とマスゴミの薄汚い姿も。。。

  2. アミーゴ5号リボーン より:

    追記です。

    トヨタとしては、今後は次期EVプラットフォームへ生産を切替えねばならず、既存プラットフォームでの増産はできるだけ低コスト低リスクで行いたいところでしょう。

    とはいうものの、やはり国内需要分は、日本国内で生産して欲しいと思う今日このごろ。

    例えば、工場稼働率が低くて困っている某メーカーが生産を請け負う等、国内生産の道を是非とも検討して欲しい。

    この記事には、実はそういう呼び水的な思惑があったりして。

    でも実際のところ、トヨタ車の納期が数ヶ月遅れたとしても、トヨタディーラーが不便不利益の無いように取り計らってくれるだろうし、他に魅力的な車種がある訳でも無いから、自分なら待ちますけどね。はい。

  3. 昔のベストカー読者 より:

    最近見聞きしたニュースで 興味深かったのが
    シャープとホンハイでEV製造に参入するってニュースだったんですけど シャープは大阪にある液晶工場跡に
    ソフトバンク出資もしくは子会社化か? 分かりませんが
    データセンター事業に参入するようですね
    このニュースより 自分はシャープがBEVなのか
    どのレベルのクルマを企画デザイン製造するのか?
    非常に興味が湧きました なぜかというと 自分は昔からシャープの作る家電のデザインが好きだったので
    モービル移動体のデザインを手がけたら面白そうだなってちょっと期待してみたいなと きっと価格的には
    安価なモデルを出してくるんじゃないかと想像してます

    少なくともソニーホンダよりましなモデルを期待します。

  4. S046高橋 より:

    夏に台湾に行きましたが、走っている車はトヨタ、特にRAV4ばかり、こんなに人気があるのだったら工場作ろうと思うのは当然かなぁ
    次の流行はミニバン!

  5. natumenatuki より:

    台湾の方々は、日本が災害時に惜しみない援助をしてくださいました。
    技術的には全く問題ないので日本車の生産をお願いして恩返しをすべきと考えます。
    台湾の日産車を作っていた工場で日本向けのトヨタ車を作ってもらうと言う自由な発想までもしたら素晴らしいと思います。

  6. いき より:

    今度の総理が高市氏なら手土産になりますね。

  7. KANY より:

    知人に聞いた話ですが、台湾に工場建てるわけではなく、暇してる台湾の工場のリソースを活用するという話のようです。

  8. トヨタ車ユーザー より:

    台湾なら親日国だしパーツを生産している東南アジアにも近いが、中国にも近いことを考えると少し不安が。中国と台湾の関係が今後考えると読めません。中国のメーカーと合弁会社を作ったこともあるので、何か方法があるのかも。
    ホンダ・日産のようにすでにある南国の工場から持って来てもいいけど、そちらはちょっと遠い。いちおう、タイでプリウスを量産したことはあると思います。工場を新設する時間・コストを節約して早くもって来れるから、そうしてほしい気もします。

  9. 川口太郎 より:

    居なくなってからじゃ遅い。
    どうして何処のお役所も地元の企業には厳しいのか?
    日ハムに塩対応続けていた北海道ドームの不手際のようになりはしないのか?

  10. Ken より:

    さすがトヨタ。韓国に立地しようとはしなかったね。世界最恐の労組はご存じのようで。

  11. よしの より:

    国内の需要を考えたら台湾でノアを生産して
    日本に持ってくるってありなんですよね。
    事実上トヨタ一強ですしですし

    あと国沢さんが言っている通り
    台湾はウィッシュの需要が凄く高く
    タクシーはウィッシュだらけでしたが
    それも終わっているので変わりの車は絶対に必要になってくるし
    台湾も日本と同じで道路は狭いので五ナンバーサイズのノアは
    台湾の道路にピッタリですからね

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