「マツダは欧州ディーゼル車から撤退すべきだ」ホントかね?

ビジネスジャーナルというメディアに「マツダは欧州ディーゼル車から撤退すべきだ」という記事が出たと聞いた。案外多くの人から見られているという。どれどれ、と読んでみたら、なるほど~。書いたの、クルマ業界の人じゃないようだし、ヨーロッパに行ってクルマを運転しているという感じでもありません。ということで少し欧州ディーゼル市場について。

まず欧州市場でディーゼルの販売減が始まっている件、確かに統計上で見るとそうなる。ただ実情を見ると全く違います。クルマ業界に詳しい人なら御存知の通り、現在欧州はディーゼルに対し『ユーロ6』という日本と同等の厳しい排気ガス基準を定めている。この基準をクリアしようとれば、化学プラント並の排気ガス浄化システムを装備しなければならない。

浄化システムは高価な価格を付けられる大きなクルマであっても、安くないと売れないコンパクトカーであっても同じコストが掛かる。1500cc用で30万円掛かるとして、3000cc用でも40万円までしない。ここまで書けば理解出来ることだろう。500万円のクルマの40万円と120万円のクルマの30万円じゃ全く状況違う。安い価格帯だと車両価格に大きな負荷を掛ける。

そんなことから各社、コンパクトカーのディーゼルを止める方向。当然ながらディーゼルの販売台数は減っていく。ただ高額車のディーゼル比率は変わらない。ヨーロッパに行ってハンドル握れば解るけれど、燃費の良さから来るディーゼル車の後続距離の長さはステキだ。私も欧州に住んでおり、500万円以上のクルマを買える収入あれば迷わずディーゼルだ。

日本勢がディーゼルから撤退しているということも書かれている。これまたクルマ業界を知っていれば簡単。日本の自動車メーカーは少なからぬ開発投資をしなけばならないユーロ6を作らなかったからです。トヨタは最初から見切りを付けBMWからエンジンを調達した。日産の場合、ルノーから調達。ホンダだけ孤軍奮闘したがあまり売れず店じまい方向だ。

スバルとスズキも開発断念。唯一マツダのみコストパフォーマンス高いユーロ6対応ディーゼルを上手に開発出来た。凄い技術だと思う。マツダの人見さんに対し超辛口の私も脱帽します。そして欧州市場に於けるユーロ6のディーゼルは当面残るし人気になること間違いない(一部で進入禁止措置が始まっているディーゼルはユーロ4以前を対象にしてる)。

文頭に戻る。なぜ撤退しなくちゃならないのか私には理解出来なかった。むしろディーゼルをストロングポイントして攻めるべきだと思う。マツダの売れ行きが伸び悩む理由はそんなことじゃありません。夢や楽しさを持っていないからだ。このあたり、経済関係の人には全く理解出来ないこと。クルマを買う時って楽しい。イヤイヤ買う人なんかいないんですよ。

マツダの記事を見るためビジネスジャーナル見たら「トヨタは今こそスズキを見習うべきだ」という記事も出ていた。「ぷっ!」と笑った。ミスリードを誘うパワーも無いです。

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