「23年秋に計画していた新型ムーヴの投入見送り」と読売新聞。ホントかね?

読売新聞が「23年秋に計画していた新型ムーヴの投入見送り」という見出しの記事を書いた。これ、おそらく理由が解ってないんだと思う。そして確証の無い推測ネタだということも解る。もっと言えば書いた人間も確証ないので本文を見ると「主力の軽自動車ムーヴの新型車投入を当面、見送ることがわかった。一連の問題で開発・生産が停滞しているためだ」。”当面”となってます。

ムーヴはすでに終売。絶版になっている

なぜ新型ムーブを出せないかと言えば、2024年から始まる『UN-R155/UN-R156』という国連で定められた『サイバーセキュリティ及びソフトウェアアップデート』の基準を満たしていないためである。大雑把に言えば従来のソフトウェアを含む電装品は全て使えず、新規格に対応しなければならない。だからこそロードスターはハーネスまで見直している。

新型ムーヴ、本来なら2023年の夏前にデビューする予定だった。ダイハツ、ケチなのでお金が掛かる新しい規格は採用せず、従来のまんまで開発したようだ。継続生産車は従来の規格でOKだし、従来世代の電装品を使えばコストだって低い。新しい規制は2024年1月以降に申請を出したクルマが対象なので2023年の夏前ならなんら問題無し! ダイハツらしいです。

されど4月の不正発覚で新型ムーヴの型式認定は取れなくなった。それでも2023年中に申請しようとしていたようだけれど、4月の不正について社内調査をすすめた結果、無理そうだと自覚したようだ。当然ながら2024年以降の申請になる。もはや従来の電装だと国際規格を遵守しなけばならず認証など受けられない。つまりワイヤーハーネスから新規制に対応させないとダメ。

これには時間掛かります。ただダイハツも2024年以降に発売するクルマ用に新しい規制をクリアする電装品を開発していただろうから、基本骨格は流用すればいい。それでも事実上の全面やりなおしですけど。読売新聞の記者さんは、おそらく「当面モデルチェンジ出来ない」とダイハツ筋から聞いたんだと思う。で、尾鰭を付けて目立つように「投入見送り」にしたと考えます。

実際どうかといえば、遅れるけれど出てくるハズ。いつになるかは不明。早ければ2024年内だろうし、常識的に考えたら2025年春でしょう。さらに言えば、2024年の4月あたりに発売を予定していた電気軽商用車も大幅に遅れるハズ。さすがに新しい規格の電装品は使っていたと思われるが、2023年スペックで認証申請していたらしい。これまた新規の認証申請になる。

ということで今年はダイハツの新型車、ゼロだと考えていいんじゃなかろうか。スズキやホンダなどライバルからすれば、手強いなライバルがオウンゴールで失点した。強い強い追い風になるだろう。売れ行き不振で厳しい状況だったN-BOXも最小限のダメージで済むかもしれません。スズキは工場に「頑張れ!」と檄を飛ばしている? 当面フルフル生産だ。

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2 Responses to “「23年秋に計画していた新型ムーヴの投入見送り」と読売新聞。ホントかね?”

  1. アミーゴ5号リボーン より:

    今回の記事を読んで、ダイハツがどこを見てクルマを開発しているのかが、とても良くわかりました。またそうせざるを得ない、厳しい市場環境も。

    そしてあらためて、確信できたことがあります。

    目先の判断と、大人の判断と、政治的な判断は、後々極めて大きな負債を生むと!

  2. 猫まんま より:

    次期ムーブは隠し玉としてe-smart積んでくると思っていたので延期は残念です。やらかしたんだからしっかりと襟を正して信頼できる車作りをして欲しいものです。
    スズキも仲良くトヨタグループに入ったんだから軽EVのプラットフォームを共有するのと同じくルノー日産三菱アライアンスみたいにコンパクトカー&軽自動車のプラットフォームをトヨタ、ダイハツ、スズキで共同開発して使えば良いのにと思います。三社合同で開発すればやらかしも防げるだろうしコストも下げれて良いことづくめだと思うのですが。
    まあ需要を考えると今更ムーブは無くても良いかなとは思うのですがタントやタフトが嫌なユーザーを他社へ逃がさないためには必要なんでしょうね。スズキもメインはハスラーが有るんだから今更ワゴンRは要らないでしょう。それでも兄弟車を作るのは車種が少なければユーザーの選択肢が減るからでしょうね。

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