お祭り=元気

ホンダというメーカーは、やはり他の自動車メーカーと明らかに違いますね、と改めて考えさせられた。世界最速のレーシングカーの1つである
『GT500』の試乗会を行ったのだ。国際C級ライセンス所持者という条件付きながら、こういったイベントを行おうとすれば各部門の協力無しじゃ不可能。

ホンダという会社の空気が「せっかく作ったクルマだし、来年から走らせる場所も無い。とりあえず乗ってもらってみようか」みたいな流れを作ったのだろう。逆に、どこか1つの部門が「そんなことやってもクルマは売れない。果たして意義あるのか?」などとゴネたら出来ないイベントだと思う。普通の会社であれば間違いなくやらない。

競技車両に限らず、ホンダ以外のメーカーの場合、モーターショーに出展された試作車に試乗させてくれるという機会すら皆無。トヨタは何台か「乗れるロボット」を作って来たけれど、一度も乗ったことなし。そういった風潮がメーカーだけでなく日本全体に蔓延しているのだろう。活気の無さの根本的な原因となっているに違いない。

もちろんトヨタだって取材を受けてくれれば対応してくれるものの、ホンダがUX−3を乗せてくれた時のような「とりあえず皆さん乗ってみてください」みたいな機会は作らない。といった点からすれば、新しい技術を見せてくれ、体験させてくれるという点で日産も面白い。何度か「思い切ったことしますな!」がありました。

メーカーが持つ体質なんだと思う。もちろん、ホンダも日産も、そういったイベントを行うかどうか決めるのは広報部門。やらない時はやらないですから。今の日本に必要なのは、案外こういった「お祭り」なのかもしれませんね、とツインリンクもてぎからの帰り道に考えました。商品論だけじゃ中国の猛攻に押されちゃうだろう。

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