ここにきてホンダが打ち出してきた事業計画を無責任にヒョウロンしてみました~

三部新体制になって半年。7月上旬に少数メディアを招いた懇談会を行って以降、全く出てこない。といったことから半分冗談で行方不明だ(笑)という声も出ているけれど、先週ホンダ関係者に聞いたら「昨日も社内で見ましたよ!」とか「3日前に話をしました。行方不明とか書かないでくださいよ~」。どうやら居るらしい。そして就任以来、いくつかの事業計画を発表している。

ところが内容を見ると玉石混交。実現出来そうなものから、宇宙関係の「そら物理の概念を超えており凄すぎる!」まで様々。そして計画を聞く側も、100%信じちゃってる人も居れば、てんでダメという人も。そこでまぁまぁギョウカイに詳しいヒョウロンカが、三部さんへの取材全く無し評価してみた。影響力の無いメディアなので話を10分の1くらいに聞いておいて下さい。酷いモン順です。

1)どうしちゃったの? と思ったのが宇宙関連。下のカニのような月面車、手の形をしたマニピュレーターが付いている。ホンダによれば「触ったものの感触が解る」そうな。けれど地球から何か掴もうと電波送ると、到着するまで1秒。その感触が地球に戻ってくるまで1秒。それだけタイムラグあると、リアルタイムでの精密な操作などできない。というか、ホンダがやる意味って何?

2)ドローンのような少人数移動手段は面白いけれど、安全面や法規、航空管制、エネルギー問題(エンジンを搭載するそうな)など含め、夢物語に近い。シンプルな考え方の人なら「ホンダ凄いぞ!」になるだろうけれど、アシモすら今や世界の2足歩行型ロボットの中じゃオモチャに近いレベル。これをホンダの新領域と言われても「ホントにやるの?」。

3)三部社長が発言した「ホンダらしいクルマ」とか「フラッグシップ」ってどんなだろう? この記事で語っているけれど、具体的な内容が不明。新しい技術を採用とすれば車両価格の高いフラッグシップが必要だと言う。されどレジェンドの自動運転レベル3のように100台レベルだと買えない。大雑把な任期が決まっているのだから、長期で無く短期的な戦略を語って欲しい。

4)アメリカは独自技術じゃ無くGMと組んで電気自動車を開発するという。確かに開発コストやリスクを減らせる。けれどリスクを取らないと利益は上がらない。本田宗一郎さんは常にリスクを承知でホンダを作り上げた。GM開発の電気自動車、電池も購入。生産もGMということになれば、ホンダはディーラーになっちゃう。現在の販売台数を維持するなら収益は大きく下がる。

5)中国に軸足を置く電気自動車戦略は、賛否分かれると思う。なんせ中国、リスクだらけですから。ただ「現地で売るクルマを現地を作る」という考え方は本田宗一郎さんのDNAである。大きいリスクを伴うけれど、やっていることが正しい! 「井戸を掘った人を忘れない」という中国人の気質もしっかり理解出来ている。私はホンダらしいと考えます。よく決断したものだ。

6)ここにきてF1を巡る環境に明るさが見えてきた。今までF1はホンダ本体で取り組んで来たのだが、2輪のレースをやっているHRCへ担当を移す。ホンダ本来だと簡単に撤退を決められるが、別会社なら「止める=仕事無くなる」。もっといえば、別会社だとホンダと違うことだって出来る。2023年以降の計画を発表していないけれど、ホンダよりずっと自由に動けると思う。

7)売れ行き好調なホンダジェットの事業拡大を考えているようだ。次に開発している2600、ニューヨークからロスまでノンストップで飛べる機体としては圧倒的にリーズナブル。それでいて快適性や速度に代表する性能で、エアラインのB737あたりに並ぶ。航空機事業、成功したら長い期間に渡り効率良い収益を挙げられる。一歩ずつ前に進んで欲しいです。

以上。やはり一番気になるのがクルマ事業。アメリカや中国で電気自動車の本格的な普及始まるのは10年以上先。それまで今の好調を維持出来るだろう。欧州の低迷を打破する手段無し。撤退もありうる? そして日本。もし三部さんが本当に楽しいクルマを作りたいなら、N-ONEの6MTを値下げしたり、フィットの『R』を作ったりして欲しい。3年待たされるなら、トヨタに押し込まれます。

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