ここにきて何となく2030年の自動車勢力図が見えてきました。鍵は電動化とクルマの魅力です

2030年まであと4年。2030年って様々な規制が始まる。日本全体で言えば「2013年度比で二酸化炭素の排出量を46%減らす」という国際公約を守らなければならない。はたまた、東京都はハイブリッドか電気自動車、燃料電池車以外の新車登録が出来なくなる。企業平均燃費で25.4km/LというCAFEも発効。燃費の悪いクルマは売れなくなると考えていい。

そうなった時、日本勢はどうなるだろう。4年というスパン、現在開発に取りかかったクルマがデビューするタイミングである。どんな技術に取り組んでいるか? どんなデザイナーか? どんな電池を採用するのか? どこに工場を作るのか? といったことを総合して考えると、大ざっぱながら方向性が見えてくる。もちろん未来は変えられるけれど、変えないと今が続く。

厳しいのは日産とマツダ、ホンダである。3社共に2030年問題に対応出来ているかとなれば、難しい。まず電池。3社に共通するのは「買えばいい」という姿勢である。確かに電池は買えるかもしれない。ただ技術開発の速度でいえば2030年時点でも日進月歩状態だと思う。安く買えるのは旧世代の電池であり、最新の電池を魅力的な価格で買うのは難しいだろう。

ダイハツやスズキのように価格競争力のあるメーカーは、旧世代の電池を安価に買い、実用車をリーズナブルな価格で作れば顧客はいる。ダイハツとスズキ、軽自動車で利益を上げられるんだから強い。3社の場合、コンパクトカーを「儲からないから」と捨て、利幅の大きい車種に軸足を移した。高いクルマに旧世代の電池を載せ、魅力的なクルマが出来るかと言えば難しい。

腰が抜けるように魅力的なデザインや、思わず欲しくなる商品コンセプトを打ち出せば旧式電池をカバー出来るかもしれないが、日産とホンダは少なくとも4年は今のデザイントレンドのまんま。商品コンセプトで旧式電池と普遍的じゃないデザインをカバー出来るかとなれば難しい。ホンダの場合、トヨタ車より圧倒的に高い車両価格も大きなハンデになる。

3社共、トヨタ車の生産台数が増えればお客を取られ販売台数を落としていく。逆説的に考えれば今はトヨタに救われているということ。免許取得者の高齢化で全需は減るだろうし、トヨタもジワジワながら作れる台数を増やしてきている。3社は2030年に今より20%くらい減ってもおかしくない。ちなみにスバルは仕込んでいる技術が2028年くらいから出てくるだろうから期待していい。

100歩譲って日本市場は電池搭載量が少ないハイブリッド車が中心になるだろうけれど、欧州は完全に電気自動車へ向かっている。ドイツは2035年のエンジン搭載車販売停止に反対しているものの、ここにきてスペインなど電気自動車の普及率が低い国まで「2035年のエンジン車販売停止は実行して欲しい」と言い始めた。電気自動車や電池の工場誘致が出来るからだ。

アメリカもトランプ大統領の任期が2028年に終われば世界の流れに従わなければならなくなる。自動車メーカーはトランプ大統領がレイムダックになる2027年くらいから電動化に向けて動き出すだろう。もちろん中国は自国ブランドの電気自動車かPHEV優勢。他国が市場を拡大出来る可能性は極めて小さい。東南アジアも中国と韓国が電動化を武器に押し寄せてくる。

4年後を変えるには今日動き始めなければならない。ホンダは業績悪化がハッキリ解るまで三部体制のまんまかと。ホンダの流れからすれば社長の責任を問わず「サヨナラ~」でいなくなるだけ。日産も過去の反省をしていないためドラスティックな変化が出来ない。マツダの場合、エンジン最高主義の人たちが今でも強い発言力を持っているという。

ダーウィンの進化論で言えば「変化できないものは衰退する」です。

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4 Responses to “ここにきて何となく2030年の自動車勢力図が見えてきました。鍵は電動化とクルマの魅力です”

  1. アミーゴ5号リリボーン より:

    ヤバい3社に共通するのは、
    「理念がない」コトだと思います。

    まず日産は言うに及ばす。今や日産ファンですら、日産ディーラーに近寄りがたいもの。
    クルマ好きのエスピノーサ社長には、クルマ好きとして応援しているけど、理念が必要デス。

    日曜日に、日産本社で日産が20年提供しているラジオドラマの生収録があったけど、日産のエリートさん達はあの番組の精神をどう思っているのかなぁ。。。

    ホンダの夢追い社長は、新しいのは上っ面の方法論だけで、シナジーという名の他力本願がお得意。理念なるものは皆無。
    「商品は人品」。ホンダゼロを見る度に、三部南(もう一人はまだ見たことがないので書けません)の人間性を思い浮かべ、令和のデロリアンを連想しております。

    マツダは、エンジン技術の教祖達が君臨しすぎました。
    今の経営陣による変革とEV普及のどっちが速いかの勝負になってきたように思えます。

    マツダもスカイアクティブ戦略のスタート時は、開発コンセプトもメカもデザインも、また経営や生産戦略もキラキラ輝いて見えましたゾ!

    グダグダ書きましたが、日産もホンダもマツダも日本の宝。
    頑張れ〜!!!

  2. ばんじぃ より:

    特にどの会社ということはなく(全社共通で)仮に直近の経営層がグダグダだとしても、その体制を成立させたのは、その前の(さらにその前の)経営層ですよね?
    という理解が間違いでなければ 責任は少なくとも前世代の経営層からの連帯責任だと感じます

  3. アミーゴ5号リリボーン より:

    追記です
    自動車メーカーに限らず、どの会社も(表向きには)小難しい言葉で理念をうたっています。

    自分が思う理念とは、自社内を含めたステークホルダー向けに心を込めた指針の言葉。

    例えば、
    トヨタではモリゾウさんの「もっといいクルマをつくろう」「街一番のクルマ屋になろう」等。「もっといいクルマをつくろう」と言い始めた頃は、豊田の御曹司は何を当たり前のことを言うとるんけ?なんて思ってましたヨ。ホントに大変失礼しました。

    ホンダでは本田宗一郎さんの「3つの喜び」。
    全てのステークホルダーの笑顔が浮かぶ言葉、厳しい時こそ信頼できる優しい言葉に、心からシビれました。

    マツダでは、ZOOMZOOM。
    可愛らしい外国人の男の子が得意気に話すCMにも、クルマの楽しさに加えて、平和や愛そしてマツダのクルマ創りへの志が詰まっているようでした。

    スズキは、鈴木修さんがまさしく「良品廉価」の理念そのものでしたネ。

    何の根拠もない自分勝手な妄想で、大変失礼しましたm(_ _)m

  4. 富士山 より:

    トランプのレームダック化はAIバブル崩壊と共に3カ月以内に起きて中間選挙の負けで降ろされる方向じゃないかと個人的には勘繰ってます。
    中間選挙の目先目的で、あの手この手めちゃくちゃで無理矢理相場支えてますが保たないです。
    難しいと思いますが、仮に今週耐えたら一旦大きく発散に入るとは思いますが、2、3月には崩れるかと。

    ただ、今後関税政策が続々最高裁違法認定されても(違法認定対策のこれからの後発物も含めて)、トランプが仕込んだ策の大きな流れは大体引き継がれるわけで、為替は100円以下を目指して行きガッチャンコ。既に設定済みの米国債暗号通貨ペッグ制(マールアラゴ合意、ジーニアス法)が発動して「身勝手な自動債務圧縮」を勝手に行うと思います。

    先を見ると円高対策が急務なタイミングなんですが、目先は利上げに絡んで円安方向に仕掛けが入り160円介入含めたゴタゴタがおそらくありそうで。対応と仕掛け次第で通貨危機の可能性も。

    でも企業じゃそこで先を見た勝負師やるのはかなり難しいですね(笑)

    ちなみにバフェットが昨日辺りからドル暴落を言い出してますね。アベノミクスの浜田は今必要なのはインフレ円安局面ではなく円高局面と。
    これらトータル、話半分でも円高ハードプランを意識して置くべき時に来ていると思います。

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