エタノールは船舶用に!

バイオエタノール由来のETBE入りガソリンが出荷された、というニュースを見た方も多いと思う。以前もこのページで書いた通り、ETBE入りガソリンは純ガソリンより原価が高い上、熱量も低い。つまり石油会社にとってもユーザーにとっても、歓迎しにくい燃料である。じゃなぜ販売されるかというと、2年前「COP3達成のため2010年までにエタノールを50万KL導入する」と閣議決定されたから。政治的なリクエストなのだ。本来なら『E3』と呼ばれるガソリンにエタノールを3%混ぜた燃料も導入しないと目標は達成出来ないのだけれど、ETBEより取り扱いが面倒なため今のところメドが付いていない。しかもワケわからん人達はバイオエタノールを「ECOだECOだ」と持ち上げるものの、肥料や農機が必要な農作物を使う現在の作り方だと地球温暖化ガス(二酸化炭素だけではありません)の総排出量も減らない。もちろん将来的にゃ有望でありますが……。ということで政府は50万KLのエタノールを流通させたいなら、現在ガソリンに掛かっている税金を免税すべき。とりあえず船舶用の燃料として使えば、道路を作る税金を免除することの理由になるだろう。その場合、クルマ用として流用出来ない95%エタノールの『E95』(100%にすると飲用される可能性が出てくる)とすればよい。ちなみにホンダの75馬力/90馬力船外機は、100%エタノールを使えるブラジル向けフィット用エンジンと互換性あります。我が国の役人のアタマは絶望的にカタい。

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3 Responses to “エタノールは船舶用に!”

  1. 地球絶対絶命の危機

    もうそこまで来ています。私たちは崖っぷちまで。それを知らないでのんびりと過ごしている私たち。それはまるでタイタニックの映画の貴族たちのよう。もうす…

  2. doe136 より:

     E3ガソリンにしろ、ETBE7%ガソリンにしろ単なる含酸素系ガソリンでしか無いのにそこから税を軽くし使用量を増やすと言うのは如何なものかと思いますが。 新しいものに飛びつく国民とは言え経済観念だけはしっかりしている国民ですからね。 E3ならその弱点特性を踏まえて性能をアップさせ初めて本当の付加価値が生まれます。 ETBE7%では、現行の石油業界が処方したレギュラーガソリン自体全く負荷価値が与えられていないので一般レギュラーと比べても運転性・燃費共変化は無いはずです。 カロリーが低いから燃費が悪化すると思っていたらそれは間違いです。 含酸素系のガソリンおメリットには、失火を防止したりや燃焼を改善する効果が期待できるので必ずしも燃費悪化につかがるとはいえないのです。 現在販売されているガソリンは、完全にETBE7%になっていない(従来のレギュラーガソリンを地下タンクから抜き取って入れ替えているとは思えませんから。)ので、1ヵ月後に比較して初めてその差を確認できるわけですが、n数の少ないベンチテストでは、ほぼ同等の結果だと思います。 それなら、ETBE入りのガソリンの税を下げる必要は何処にあるのでしょうか? 現在バイオエタノール需要増加によって一部の食料の価格は上昇しているのですから無理に調整する必要を感じません。
     国内では環境省と石連との間で直接混合案とETBEにしての混合方法で一般には非常に判りにくい状況にあります。 その辺りをはっきりさせる事が何よりも重要ではないでしょうか? E3ガソリンなら、環境面に貢献しながらさらに5%の燃費改善をする技術だってあるわけで、これならETBE入りガソリンと比較しても十分差別化でき、環境改善が出来るんです。
    各業界や政府の思惑で動かされてしまっては、環境問題は宙に浮いてしまいます。 物には価値がある。 単にバイオ燃料資源が使われているだけで環境に優しいと思われがちな昨今、税制見直しより、更なる付加価値を付けて販売シェアを上げるのが本当の技術革新では無いでしょうか? バイオ燃料だと言う表現に惑わされてはいけませんよ。

  3. ETBE v.s. バイオエタノール

     さて、新たなクリーンディーゼルを、現行規制に合わせて日本に導入するお手伝いで昨日はずっと外出していました。 ディーゼルの進歩が著しいと感じるのが307HDi136に使用されているエンジンDW10も車両が異なるとさらに良くなった印象を受けます。 愛知のKさんにご注文いただい…

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