クルマの寿命

日本人はクルマの寿命を過小評価しているように思う。おそらく皆さん10万km程度を「目安」としてるんじゃなかろうか。今だ
3000〜5000kmでオイル交換しなくればならないと考えている人も少なくない。30年前の常識をそのまんま引きずってるのだろう。自動車メーカーも乗り換え促進の大きな動機付けになるため黙認してましたし。

果たして真の実力はどうか? アメリカだと10万マイル(16万km)の中古車など珍しくない。さすがに15万マイル(24万km)を超えると躊躇するようだが、それだって相場より安ければ買う。10万マイル程度で車体のコンディション悪くなければ普通の中古車です。むしろ経年変化の方が厳しい。大雑把に言って寿命の目安は30万km/15年といったあたり。

そう考えてみると日本は発展途上国からすれば中古車の宝庫だった。10万km/7年という寿命を半分以上残したクルマがタダ同然で流通していたのだから。しかし景気悪くなるや皆さん乗り換えなくなっている。3〜5年でクルマを換えてきた人も、3回目の車検取って乗り続けてます。そんな人に聞くと「驚
いたことにどこも悪くならないんですよ」。

されど「ノーメンテで走れるか?」となればNoです。実際、やがて様々な事象が発生し始めるだろう。当然ながら距離が伸びれば今まで交換してなかった消耗部品も交換しなくちゃならない。ウォーターポンプや燃料ポンプなど10万km程度から壊れる可能性大。けれど日本人は無頓着だ。この二つ、壊れれば確実に走行不能となる。

一方、日本人のクルマ感度は低くなる一方。コンディション良いクルマが多かったため、家電製品のように「買ったらそのまま使える」と思っている人も
少なくない。そろそろ真剣にクルマの整備を啓蒙しなくちゃならないと思う。もし自分のクルマのコンディションに不安があれば、ディーラーの12ヶ月点検をおすすめしておく。1万5千円前後と高くない。

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4 Responses to “クルマの寿命”

  1. samine より:

    値段つかなくなった車は廃車にすることが多いんで、まだ走れるのに解体する車って多いんですよね…。
    「リサイクルしてる」と言っても、効率を考えれば、それこそ走れなくなるくらいまで長く使ってる方がリサイクルの回数も減らせてエコなんですよね。リサイクルなんてコスト高くつきますから。「値段つかないから廃車にする」よりも「これ以上直せないから廃車にする」の方が良いのはみんな解ってると思いますが…。
    中古車の輸出先といえばロシアが大手でしたけど、最近は関税も上がったし、円高ルーブル安で向こうでの値段が上がっちゃってるようですね。

  2. mkk より:

    日本での車の経済的寿命が短い原因の一つは、新車の減価償却が6年で終わってしまうことにもあると思われます。この6年の減価償却期間は、製品の品質を考慮すると、パソコンの4年、家具の8年や15年に比べて異常に短く、節税には役に立ちますが、環境保全の観点からは芳しくありません。新車の価値が6年でゼロになるという慣行は、この償却期間と関連があると思われます。確定申告前に減価償却表を埋めていて、毎年感じるのは、他の資産に比べて、車両の償却費が異常に高いことです。この償却費の税務上のメリットをとらない選択は難しく、結局調子のよい車両でも6年が満了する前には遅くとも手放さざるを得ません。国沢さんはどのように考えられますか?

  3. おはぎ より:

    毎回楽しく記事を拝見しております。           私は十二年前の正規輸入のドイツ車を新車から乗り続けています。現在の走行距離は34万kmです。
     どの車にも取扱説明書が付属しているので、メンテナンスはこれに準じて行っています。エンジンオイルを3000kmごとに交換するのはデメリットの方が大きいと思いますので、指定どおり、15000kmもしくは一年毎で指定グレードかそれ以上のオイルに交換しています。オイルメーカーは問いません。バッテリーとショックアブソーバーは10万km毎、燃料ポンプは15万km毎、冷却水とブレーキオイルは車検ごとに交換、ラジエターとウォーターポンプは20万km、エンジンワイヤハーネスは25万km、オルタネーターは30万kmでそれぞれ故障したので交換しました。
     燃費は一般道12km、高速道路14kmで新車の時より向上しています。
     残念ながら自動車雑誌のメンテナンス記事は当てにならない物が多いので、取扱説明書を読んで信頼出来る整備工場のメカニックと相談しながら車のメンテナンスをする方が良いと思います。

  4. アマチュア部員 より:

    私も国沢さんの記事に書かれていたことと同様に感じております。
    整備をすれば、まだまだ快適に乗れる車でも買い替えてしまうユーザーは多いでしょうね。経済効果から見ればいいことかもしれませんが。
    私はクルマを趣味にしているもので、少々偏った意見かもしれませんが、近年の車に「欲しい!」と思うものが少なくなりました。
    理由は、ここの掲示板にも何度も書かせて頂きましたが、車幅が大きく運転しにくいからです。
    また、丁度いいと思うサイズの車はコンパクトカーなど、走りの部分で趣味性に欠けるものが多いように感じております。
    (自動車メーカーもグローバルで商売しないと、やっていけない時代なので仕方ないと諦めておりますが)
    したがって現在14万キロ走行の5ナンバーサイズの愛車(BE5)を大切に整備しながら乗っております。
    私と同じような趣向のユーザーは、如何にして優秀な整備工場と出会えるかが長持ちさせられるポイントだと思います。
    ちなみに私は自宅から50kmほど離れていますが、いい整備工場を見つけ、いつもそこで面倒を見てもらっています。
    そこは私の車種の専門店です。しかも新車の販売はしていない中古車のディーラーで、恐らく整備や修理での収益比率の多いお店ではないかと思います。
    専用のセレクトモニター(電子診断機)を完備していますし、単一車種を扱っている専門店なのでメカニックの方が車の構造を熟知している点が強みです。
    少々古い車を安心、安全に長い間使用するためには、優秀で親切な整備工場との出会いが一番大切ではないでしょうか。
    新車ディーラーは車の販売が収益のメインですし、時にはノルマもあるでしょうから。

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