スエズ運河で世界最大級の全長400mあるコンテナが通せんぼ座礁。物流への影響は些少か?

よりによってスエズ運河を塞いだコンテナ船は世界最大級で全長400mもある! 事故当時、砂嵐が吹いていたという。速力さえ出ていれば横風を受けても舵でコントロール出来るものの、スエズ運河の制限速度は15km/h(8ノット)。この程度の速度だと強い横風受けたら相当難しい操船になる。しかも最近コンテナのニーズ多く、写真の如く満載状態だった。

Photo: Instagram/fallenhearts17

昨年秋くらいから急速にコンテナのニーズが増えているそうな。横風を受ける面積大きくなれば、横風着陸の飛行機のようにクラブ(ドリフトですね)で運河を航行しなければならない。一定の風の強さなら比較的容易ながら、強弱ある中、横幅200mの運河で横幅60mのフネをコントロールしようとしたらカンも必要。姿勢変わり始めてから舵切っても間に合わない。

加えてパワー掛けて走っていただろうから、コントロールを失って護岸に当たった時の衝撃だって大きかったと思う。事故直後から8隻ほどのタグボートで引っ張り出す作業に入り、幸い上手くいったようだ。なんたって400mの巨大コンテナ船。力持ちのタグボート8隻を投入したといえ、動いたのは幸運に恵まれた。ただ開通の見込みは26日時点で不明。

すでに紅海と地中海に大量のフネが滞留し始めており、物流に問題出ている。最悪、長引けばアフリカ最南端回りという航路もあるけれど、欧州~日本の場合、24%ほど距離と燃料を食う。24%のコストアップです。日数も欧州~日本で23日かかる船速であれば30日。タイムイズマネー。通行止めが7日間以上掛かるのなら、喜望峰回りを選ぶだろう。

欧州に荷物を送ったり送って貰ったりするなら、最悪、2~3日間の遅れが出ることは計算に入れたらいいと思う。半導体不足の上に、物流の停滞。調達関係の仕事をしている人はダメモト。ウデの見せ所です! 今回座礁した「エバー・ギブン」の船主は今治造船グループの企業である愛媛県今治市の正栄汽船。エバーグリーンという台湾の海運会社が運用してます。

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