スズキeビターラ、日本で販売する日本車で初めてLFPを採用。買うならトヨタバージョンか?

スズキがeビターラという電気自動車を発表した。サイズはB~Cセグと考えていいだろう。プラットフォームとしてはリーフより上ながら、サイズだと少し短いという、欧州で売られている新しい世代のBセグである。生産はインド工場。興味深いことに日本で販売される日本車として始めてLFP(リン酸鉄リチウム)電池を採用している。理由はいくつもあるけれど、基本は「インドみたいに暑い国だと三元系リチウムはムリ!」。

三元系リチウムを使おうとすればニンゲンが生活できる温度ということになる。インドの場合、放置しておいても45度近くなりニンゲンの限界に近い。さらに急速充電や回生制動、登坂などデンキの出し入れをすると三元系じゃ燃えるかパワー出さなくするか充電出来なくするか、寿命落とすかの4択または全てになってしまう。LFPであればインドの高熱だって耐えた上、急速充電まで可能。その上、調達コスト低くて済む。

未だに三元系にこだわっている日本人の技術者もいるけれど、世界を見ていないんだと思う。井の中の蛙ってヤツ。ちなみに電池は中国のBYD製。中国工場でパッケージした電池をインドに運び、そこで組み込んで日本にもって来ている。とっとと日本でLFPを作っていたら良かったのに。電池容量は49kWhと61kWhの2タイプ。充放電性能が高く寿命も長いため、LFPなら容量の小さい方を選んでもいいと思う。

問題はスズキにある。認証不正の最、実際どうなのか各社調べた。広報がしっかり対応してくれるメーカーもあれば、広報は無回答というメーカーもあった。ただスズキを除き、違うルートで(情報の出所を公表しないという条件)全て確認が取れた。スズキだけは最後まで”本当のこと”が解らず。完全無回答でした。以来、スズキを推奨出来なくなっている。なんかあった時も隠される。命を預ける相棒としては厳しい。

ただeビターラはトヨタ向けのOEMもあるという。スズキもトヨタにゃ隠せないかと。もしeビターラを考えているのなら、トヨタ版を強く推奨しておく。スズキを買うなら自己責任で。メディアは立ち入れない。気になるのは価格。bZ4Xやソルテラが値下げしてくるという話も聞く。今後、電気自動車の価格は間違いなく下がっていくだろう。300万円台に入ってこない限り、商品力は低いと考えます。

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1 Responses to “スズキeビターラ、日本で販売する日本車で初めてLFPを採用。買うならトヨタバージョンか?”

  1. トリシティライダー より:

    いつも電池の特性まで踏み込んだ正しい知識と、LFPの啓蒙活動素晴らしいです。これからも期待します。
    三元系とLFPの比較ですが、実使用上の体感は三元系って容量詐欺じゃね?とも思います。
    三元系は100%充電や0%過放電は劣化原因なので、常に10or20%~80%での運用が推奨され、実質6~7割程度の運用を強いられます。
    言い換えれば、”残り3,4割の非常用電池容量” “見かけのスペック(満充電~全放電の容量=最長航続距離)”の為に、ユーザーが高いプレミアを支払わされる構図に見えます。
    一方のLFPは、ご承知の通り推奨充電レベルの100%~0%まで余すことなく使え、過放電による劣化も有りません。

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