ステルスカー
新型プリウスでハイブリッド初体験をした人が増えたのだろう。ここにきて「歩行者用のホーンを付けるようトヨタに言って欲しい」という意見を頻繁に聞くようになった(ひかれそうになった人もいる)。私のWebサイトをご覧になっている諸兄ならすでに御存知の通り、12年前の初代プリウスから問題に
なってます。
当時プリウスのチーフエンジニアで現在トヨタ副社長の内山田さんは、1997年初頭あたりからこの問題を解決しようとしていたようだ。というのも初代プリウスのプロトタイプ試乗の際、歩行者に対する存在音の件を指摘した所、「法規的な問題で無理なんですよ」という答えが返ってきましたから。国交省に打診済みだったワケ。
国交省(当時は運輸省)の答えは、何回も書いてきたように「暴走族がホーンを二つ付けるのを規制しているため例外は認めない」。この間、急速なプリウスに普及により、おそらく毎日何千件もの「う
おっ! 危ない!」が世界中で発生しているんじゃなかろうか。少なくとも私自身、12年間で下をみて500人くらい驚かせている。
もちろん危険な状況ではない。クルマに気づいてくれない歩行者の後ろを(たいていは道の中途半端な場所を歩いてます)歩く速度に合わせて走っていると、やがて気配で気づくんだと思う。振り返るや皆さん相当なイキオイで驚くのだった。ちなみに夜間はヘッドライトでクルマの存在に気づくため「驚かし行為」をしな
いで済む。
識者の中には松下宏さんのように「どんな状況でもクルマは下僕であるべき。歩行者用認知装置など絶対不要。装着など自体許せない!」という原理主義の人もいる。ちなみに前回この件をTOPで取り上げた時は、怒りのメールを送ってきました(後日会った時も説教された)。おそらく国交省の中で強力に反対してる輩がいるんだと思う。
しかしここにきて「歩行者用の認知機能を付けろ」という声がいろんな場所から出てきた模様(特に視覚が不自由な方だと無音のクルマは深刻な問題です)。国交省もイヤイヤ対策会議を開くことになった。第一回は7月2日だという。よくぞ12年間も放置してきたモンだ。傍聴も可能だというので、時間あったら行ってみたい。
ちなみにこの問題、すでにさんざん論じられてきており、流れとしては「エンジン音のような擬音やチャイム、メロディの類いでなく、インバーターの音に代表される本来の「騒音」を出すのがスマートではないか、みたいなことになってます。国交省が選んだいわゆる「識者」の皆さん達は、どんな”妙案”を出
してくれるのだろうか?
ちなみに自動車メーカーの工場内を走る無音の電動無人運送車はチャイムを鳴らして存在をアピールしてます。「エンジン音を出せ」とか「メロディを流せ」いう識者が居たら大笑いしちゃうから傍聴は遠慮しておきましょう。2年後くらいには対応策が登場すると思う。
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ハイブリッドカー&EVカーの何かしらの形で日中に自車の存在を知らせる機能は、確かに必要性を感じます。
しかし、それが音によって作り出すことが良いのか否かはとても難しい問題です。なぜなら、それによって、メロディーホーンの「音チューン」なる新たな騒音問題が発生することが十分に考えられるでしょうから。
例えば、JRの駅で聴かれるようなメロディベルやすかいらーくレストランの入り口を開けた時に入店を知らせる小鳥の鳴き声、あるいは「ヒューン」という高周波の音のようなものであれば個人的には許せますが、それらが許されるとなれば、そこで商売を企む業者が必ず、歌謡曲のメロディ、さらには「着うた」ならぬ「うたホーン」、すなわち、車からメロディのみならず歌声まで流れ出すような「豪華な」メロディーホーンへエスカレートしていくことは十分考えられます。
携帯も「三和音」はもちろん「着メロ」までだったら着信音として認識できていましたが、「着うた」はもはや脳が着信音として認識してくれません。あれは歌です。
自分の趣味でもない歌が会議中突然流れだし、それを無理矢理聴かされる不快感はたまらないものがあるということは我々は十分認識しているはずです。
しかし、着メロと着うたの線引きも曖昧ですし、着うたを規制するようなものはできようがありません。つまり、私達は今後の人生をずっと他人の趣味の歌を無理矢理聴かされる不快感と付き合っていかなければならないわけです。
この問題は携帯だけではなく、きっとハイブリッド&EVカーのメロディーホーンでも同じことになることが十分考えられます。
したがって、メロディホーンを法的に許すのであれば、最初から付いている音のみで一切の改造をゆるさないといった厳しい規制にしないと、街中に「歌謡曲」が響き渡ることにもなりかねません。
しかし、現在付いている警笛ホーンとて音量の規制があっても、「ヨーロピアンホーン」のように交換することも可能である現状を踏まえると、社外品として「浜●あゆみの歌ホーン」なるものが発売されることになるでしょうね。。。
かといって、日中に音以外のもので知らせる術が私には思いつきません。。。これはとても難しい問題だと思います。
しかし、街中に「歌ホーン」が流れるくらいなら、今の方が数千倍もマシと感じます。
「クルマの音が聞こえない!」ってのは、「マフラーの音を美しい」と感じる団塊Jr世代でも奇跡(笑)ですし、テクノロジーの進歩という感じで大変喜ばしいことなんですが...。
13年超えディーゼルを乗っていますが、コイツの良いところは、歩行者からよけてくれる。これだけは評価に値します。せっかくテクノロジーで無音になったのに、もったない気もしますが、国沢さんのおっしゃるとおり、「着メロディーホーン」だけは避けたいところです。
着メロディーホーン改造ビジネスというのも発生しそうですね。(笑)なんか未来の話に感じますが、既に危険が発生しているんですね。
第二のホーンは「電気を使わない手動式」と限定したらいかがでしょう。自転車のベル(チーン)や空気ラッパ(パフッ)っていうヤツです。運転席のレバーを操作すると、自転車のブレーキワイヤーみたいなものを介して、フロントグリル内で「チーン」とか「パフッ」って鳴るものです。
毎日有り難く拝見させていただいています。
「心地よいノイズ」とは何かというのは、社会的·思想的にもすごく面白い問題です。
例えば、蕎麦を食べるときの「ズルズルッ」っという音。公園の子供達の遊び声。選挙カーの「皆さまの清き一票を!」の音声。
邪魔と思う人もいるでしょうが、文化として社会に根付いています。
ノイズが全くない状態や好きな音だけの状態は、どこか不自然で、極端な個人主義や管理社会を思わせます。
どんな結論が出るのかわかりませんが、文化としてどうあるべきかという観点から、議論がなされることを期待します。
先日、ホームセンターの駐車場で新型プリウスにひかれそうになりました。そもそも、男二人が話しに夢中になっていた我々が悪いのですが、その時の二人の結論は。
納車されたばかりの運転手さんは、プリウスの発進時の静かをまったく知らない。今までのガソリン車のつもりで、当然エンジン音で男二人は避けてくれるだろうと思い込んでいた。
第二のホーンも必要でしょうが、まずは、納車時にセールスマンは、プリウスの特長として音の静けさを説明し、実際に車のそばに立たせ静かさを体験させる。
バックする際、注意しない運転手がいないように、電気を動力とする車の発進時の注意点として、常識化することが必要だと思います。
第二のホーンは必要です。ガソリン車の場合でさえ歩行者、自転車の近くを走行せざるを得ない場合は気づいてもらった方が安全である場合がよくある。
カー用品店などで売っている市販のホーンを取り付ける要領で、音の小さな耳触りのよいホーン(ブザーやチャイム類?)と専用スイッチを取り付ける作業はそう難しくない。