スバル、このままだと燃費規制無理でしょ、と思っていたらトヨタの関連会社になる?

トヨタがスバルに追加出資するという。議決権比率20%まで株を取得するらしいのでトヨタの関連会社になります。以前も書いた通りスバルの業績は良く、株価だって高い。常識的に考えたら、このタイミングでスバルに出資する理由など無いように見える。しかし! 5年先を考えたらスバルは非常に厳しい。というか存続する怪しくなってしまう可能性大きいのだった。

何度か書いてきた通り、2025年あたりから燃費規制が非常に厳しくなっていく。ハイブリッドを持っているトヨタですら危機感大きく、ハイブリッドの燃費を今より向上させるだけでは追いつかず、電気自動車やPHVを少なからぬ台数売らないと規制をクリア出来ないという。この規制、今のスバルじゃ不可能に近い。というかそういった技術に取り組んで来なかった。

スバルの吉永前社長はラッキーボーイだったし、スバルの業績を大きく引き上げた大功績を残した。その反面、将来のスバルに全くと言って良いほど投資しなかったらしい。中村社長になって世界の自動車技術の流れを冷静に分析したら、とてもじゃないけれど今のスバルは対応出来ないと考えたんじゃなかろうか。もちろん吉永前社長も少しは危機感あったかもしれない。

だからこそスバルもトヨタから電動化技術を取り入れる方向で動いていた。しかし! 自動車の歴史を見ると、古今東西「人のふんどしで相撲を取った」車種が売れたことないです。いくらスバルがトヨタの技術でクルマ作ってもユーザーはついてこない。直近だとプリウスのシステムを搭載したアクセラ。決定的に売れませんでしたね。お客は慧眼であります。

なぜ20%にするのか? こらもう簡単。スバル社内の意識を変えるためだ。今のままだとトヨタに対する反発も大きく、言うことを聞かない。関連会社になることで、トヨタの意向を今よりずっと強く聞かなければならなくなる。もちろんトヨタはそういった「命令」など出さないだろう。スバル内部でトヨタの威を借りた変革を行う、ということです。ややこしいですね。

それくらいスバル社員のプライドは高い。

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