スバルの完成車不正。新品ブレーキは危険なのか?

昨日スバルの完成検査の件を書いたけれど、この話を知人にしたサポーターの方が「だったらそのクルマを納車されたお客さんは基準以下のクルマに乗らされるのでは?」と聞かれたそうな。少し説明を加えておきたい。最近、普通のクルマは一週間も乗ってないとブレーキディスクに軽く赤さびが付く。といっても表面のごく浅い場所のため、少し走れば取れちゃいます。

けれど新車ってブレーキ錆びない。ディーラーに展示してある車両を見れば解る通り、けっこうな期間ピカピカのままだ。といった具合でブレーキディスクの表面は新車と走行したクルマで状況が変わる。工場でラインオフしたばかりの新車の場合、検査ラインの直前で「着地」するまで、1回もブレーキローターとパッドは接触していない。この状態でブレーキ試験を行う。

数値が社内基準を下回っていたとしよう(車検基準よりどのくらい厳しい数字か不明です)。されどお客さんの手元に届くまでは、工場の検査ラインから走り出し、工場の中を移動。この際、何回かブレーキを踏まれる。その上、積車や船などに積まれるときと降ろすときもブレーキ使う。1回もブレーキ踏まれていない時と比べ全く状況は変わってくる、ということです。

おそらく新車を買った時も、距離計(オドメーター)見たら何kmか走ってると思う。この距離でブレーキの利きは急速に良くなっていく。参考までに書いておくと、ローターとパッドを新品に交換した時も最初の数キロはブレーキの利きがイマイチ。いわゆる「当たり」が付いていないからだ。もちろん危険なほど効かないワケじゃないけれど、最初は少し気を付けて欲しい。

ユーザーの手元に届く頃には、1回目のブレーキ検査でギリギリだったとしても(そもそも車検基準はクリア出来ていたかもしれません)、問題無い状態になっていると思う。このあたりはスバルがキチンと事情を教えてくるまではハッキリ解らないですが‥‥。最近自動車メーカーは情報を隠しすぎる。リーフのバッテリーやスマートキーのリレーアタックの時に感じました。

そうそう。競技車両は新品を組むと「焼き入れ」を行う。アクセル踏みながらブレーキ強く踏むなどして熱を入れる。そんなことから市販車でも焼き入れをやる人がいるけれど、新車についているブレーキは不要。むしろ寿命を落としたりします。普通に数km走るだけで効くようになるから御安心を。

 

 

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