セダン無くなりパトカーどうする&幕末好きならツボにハマるクラウンの明治維新話

パトカーはずっとクラウンを使い続けてきた。当然の如く初代クラウンもパトカーとして使われ、ゴジラなど映画に出てくる。以後、15代目までクラウンはパトカーの主力車種と言ってよかろう。トヨタ側も警察が出す意地悪な指示を聞いてきた。例えばシートは今や作っていないビニール指定。それなりのテストが必要なため台数少ないパトカー用に作るとスンゴク高いそうな。

写真/京都府警

それでいて購入価格は「ビニールはベーシックグレード用」となり、モケットより安くさせられる(笑)。よく「トヨタは警察にパトカーを売ってる。癒着だ」みたいな話が出るけれど、トヨタ側としちゃ「これで縁を切れる」なんだと思う。2011年に歴代パトカーで使われ続けてきたクラウン・ビクトリアが絶版になるときも、同じような話になった。

今はどうかとなれば、エクスプローラーに代表されるSUVである。警察庁どうする? 新しいクラウンのビニールシート仕様を作らせるか、カムリやアコードのようなFFのセダンにするのか。それともRAV4やハリアーか。高速機動隊についちゃSUVは難しいだろうけれど、残念ながら我が国にはパトカーとして使えるようなモデル無し! 皆さんどう予想しますか?

新型クラウン、歴史好きな人なら明治維新の例えが興味深かったことだろう。先代クラウンを開発する際、すでにセダンは絶滅危惧種だった。当時、秋山CEによれば多くの人から「徳川と同じ15代で終わらせるなよ」と言われたそうな。実際、15代目を持って最後のクラウンにすればいいという意見も出ていたようだ。日本専用車を作っても採算的に成り立たないですから。

幸いトヨタに策士がいた。絶版にするんなら思い切りやっちゃえ、と。このあたり、今のトヨタの強さになっている。明治維新の面白さは「世界に類を見ない革命のようなモノ」だ。今までの流れを断ち切り新しい方向となるものの、そこには”産みの苦しみ”がほぼ無い。大政奉還という安定感をバックボーンに、多少の混乱こそあったけれど、新しさやニュースが勝った。

新型クラウンの報じられ方を見ていると正しく明治維新。販売現場から「こんなクラウン認められない!」という旧幕府軍的な反乱も起きていると言うけれど、これだけポジティブに取り上げられ、販売台数も伸びれば五稜郭や田原坂のようなもの。すでに大勢は決したように思う。鎖国をしていた徳川時代から世界にどっと出て行く明治政府との対比も話のネタになる。

個人的には15代クラウンより16代クラウンの方がずっと好ましく思う。

<おすすめ記事>

コメントを残す

このページの先頭へ