タカタのリコール問題に新しい動き

タカタのエアバッグ問題に新しい動きが出てきた。2017年に北米で販売を開始する次期型アコードのインフレーターとして(今回リコールの原因になっているエアバッグ展開用の炸薬)、タカタでなく豊田合成から調達することになると米メディアは伝えているのだった。アコードはアメリカで販売されているホンダ車の3分の1程度を占める人気車だ。

この情報、おそらく豊田合成側から漏れたのだろう。その証拠に、豊田合成から調達されるインフレーターは、運転席とサイドカーテン、ニーエアバッグだと言われている。ホンダルートで漏れたのなら、助手席エアバッグのインフレーターの調達先も解ることだろう。さらにCR-VやアキュラRDXのインフレーターも豊田合成に切り替わっていくという。

エアバッグの黎明期からタカタのインフレーターを使ってきたホンダが、なぜ豊田合成に切り替えるのか? 現在カタカが使っているインフレーターの原料(硝酸アンモニウム)で安全性に問題なければ、タカタ製を使い続けるんじゃなかろうか。もし助手席エアバッグのインフレーターもカタカ製でない場合、いよいよ硝酸アンモニウムが怪しい。

ちなみにタカタ以外のメーカーのインフレーターは、固形燃料式のロケットやミサイルなどと同じ硝酸グアニジン。火薬に使われる硝酸アンモニウムより安定している。もしホンダが見切りを付けたのがタカタという企業でなく、硝酸アンモニウムだとすると、いろんな意味で不安要素大きくなってしまう。ということでこのニュースの内容は、影響力極めて大。

逆に助手席エアバッグのインフレーターが従来通りの硝酸アンモニウムを使っているならば(豊田合成製であっても)、とりあえずタカタの問題は不具合品を良品に交換対応が終了した時点で解決ということになります。自分のクルマがリコールの対象車種になっており、メーカーから作業案内あれば、すぐ交換してもらうことをすすめたい。

参考までに書いておくと、現時点でリコール対象となったのは全世界で2300万台規模。今後もう少し増えるかもしれません。これだけの数のインフレーターを短い期間で生産するのはタカタ一社では難しいため、日本の『ダイセル』とスウェーデンの『オートリブ』(インフレーターではシェア世界一)が交換部品を開発中。年央には間に合う模様だ。

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