ダイハツ不正、自動車史上最悪の内容。規模としてはVWのディーゼルゲートに匹敵する
ダイハツの不正問題、私が「最悪の状況」と考えていたより100万倍も酷かった。私の考えていた”最悪”は「運転席側のポール側突で基準をクリア出来るデータにならなかったため、基準をクリアしていた助手席のデータを流用した」である。この件、ダイハツは「余裕でクリア可能な助手席側の試験結果を運転席側にも適用した」と言っていた。100歩譲って、それなら安全性は担保出来ている思う。
しかし今回第三者委員会で公表された内容といえば、ポール側突の一件だけでなく、ほとんど全てデタラメということになる。数字の捏造に始まり、売っているクルマと違うパーツを使ったりすることだって当たり前。私の考えていた”最悪”なんか赤ちゃんみたいな内容でした。クルマは命を預けるもの。とうてい許されることじゃない。自動車の歴史を辿っても、一番悪質と言って良いほど。
加えて第三者委員会の調査も甘い。不正の理由について「忙しい」とか「締め切りが」とある。そんなのダイハツだけに限らない。どこの自動車メーカーだってタイトなスケジュールで開発してます。「お金がない」といって万引きしたらダメなのと同じ。お金無いなら「働く」か「保護を申請」だ。タイトなスケジュールであれば、お金使って人を増やすか外注に出せばいい。みなそうしてます。
何度も何度も書いてきた通り、ダイハツは安全とコストを天秤に掛けたらコストが重い企業風土を持つ。以前取り上げたエアバッグの誤爆問題だって現在進行形で対策してせんから(GRコペンは誤爆対策を行った)。誤爆の件、トヨタから出向している役員にも話をしたのだけれど、ダイハツの壁にハネ返されたと失望していた。ただ不正をしてまでコストダウンするとは思わず。
今後どうする? 単純なリコールでないため、部品を交換して終了というワケにいかない。クルマ全体が基準をクリアしていないからだ。今回問題が発覚した車種は全て認可の取り直しをしなければならない(ダイハツは問題無いと主張している)。もし認可基準に届いていなければ、不完全なクルマということになる。この手の不正はVWのディーゼルゲートと同じような扱いになると思う。
ダイハツの不正問題、安全基準が100とすれば、50とか60というレベルではない。基準を満たしていないものも90とか95とかだと考える。納得できないという人は納得しないだろうが、条件を出してくれたらそのまま乗るという人も出てくることだろう。実は私も不正対象だと思われるダイハツ車を2台持っている。トヨタ筋に聞くと「とにかくお客さんが納得できる対処をして欲しい」。
ただ台数が日本国内だけで500万台を大きく超える。会社の存続すら危ぶまれる大きな痛手となることは間違いない。トヨタもここまで酷いと想定すらしていなかったらしく(奥平さんがどの程度まで知っていたのか現時点では不明)、激しく憤っている。今回の件を知っていた経営陣や部長クラスは全て更迭。幹部については引責辞任くらいしないと顧客も納得しないと思う。
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普通の真面目な担当者が、納期に間に合わせるために偽対策をしていたとのこと。
他部署に迷惑をかけるからと、悪質な犯罪を積み重ねてきたとのこと。
納期に追われるのは、全ての会社がそうです。
性懲りもなくマイチェンしたソルテラのカタログをもらいに行った際、ダイハツ製スバル車がかなり滞っていることを聞きました。
REXは受注停止。純ガソリン車のロッキー/ライズはいったん再開したもののREXはその停止のままフェードアウトになると。
新型になり説明マニュアルまでできていたステラ(ダイハツ・ムーブ)は音沙汰なし。
ジャスティつまりルーミー/トールは、スマートHEVが好評ならば(汗)そのままロッキーのシステムが展開されるらしかったがそれもなし。
モデル末期だからあきらめたのかと思ったら、エンジンそのものの不正があったと、さもありなん。
コペンのエアバッグ誤爆ならリコールで済みますが、量産仕様でないECUで試験していたら、認証通りません。
ダイハツの規模を考えたら、今回の補償を終えたら車の開発ができないくらいの痛手になりそう。トヨタのオペレーションの元、現ラインナップの製造の請け負いだけ行う会社になってしまうのか。
組織的な不正は見当たらなかったといってましたが、その会社で正規の手続きが不正だったのだからそれは気づけというのが無理でしょう。
これ、「ENGINEER」が、寄って集ってやってた、或いは黙認してた、って事ですよね。
ありえん。
そして、社長も騙してたって事?
ちょっと考え難いんですけど。
まあ、顧客が納得なら、有り、なの?(んなこたぁ、無い。)
今回の背景に、2011から2012年に滋賀の竜王から久留米に開発移転をリストラ兼ねて決定、社員に選択を迫り。かなりのメンバーが一斉に退社しました。その後に2014年に久留米開発センターが開設されましたが、中間層が転職で抜け。残っていたメンバーは大変な思いだったのでしょう。残念です。
衝突試験の実験部隊は竜王でしたので、九州転勤は出来ないと辞めていくメンバーを見ていました。
当時のスリム化策が10数年後にこのような形に。
ダイハツ工業日本部門を解体した上でダイハツ工業が唯一得意のマレーシア市場のノックダウン先の提携企業のプロドアとダイハツ工業をトヨタ自動車主導で経営統合させる可能性も有るでしょう。
正直こうした事実が明るみと成った以上、ダイハツ工業、日本に不要な車”もどき”メーカーですから。
日野自動車に対する以上にダイハツ工業が厳しい処分を下される事を祈ってます。
本当に残念で、身体など取り返しのつかない損害をうけた人は、更にやりきれない思いになることでしょうね。
実害の体感がないユーザだとしても、保険やリセールには影響するかと。
私なら仮に万全な新車への代替補償を提案されても受けないです。不正は30年以上とのことで、私が現行法規のもとでダイハツ社と対等に取引できるとは思えないので。
>ダイハツの壁にハネ返された
子会社で別ブランドだから良いのでしょうかね。グループ内のガバナンスがなってないです