テスラ・バブル
最近メディアで盛んに取り上げられるテスラモータースだけれど、台所事情は非常に厳しいと思う。11月9日に発表された
7〜9月期の決算は約29億円の赤字。客観的に評価すれば、唯一の市販車である『ロードスター』が売れていない。少数のお金持ちや企業の興味を引いたモノ
の、一巡するや受注急減。
何と言ってもメインの顧客層とならなければならないクルマ好き達が、テスラ・ロードスターのコストパフォーマンスに納得できていない。「面白いけど高いよね」ということであります。電気自動車に強い関心を持つ私ですら、1千万円出して買う気など1%もありません。
だったら素直にロータス・エリーゼを買う。
今後どうか? 4ドアの『モデルS』が本当にロードスターの半額となる470万円(米国での価格)で販売できれば、イッキに好転すると思う。なんたってモデルのSの性能と来たら、ベースモデルで250kmという航続距離を持ち、0〜100km/h
を6秒。最高速210km/h(リミッター稼働)というもの。大いに魅力的だ。
テスラ・モデルS
そのあたりを評価したのだろう。赤字決算を発表したにも関わらず、翌10日の株価は19%も上がっている。トヨタやパナソニックといった大手企業が出資しているという点も大きい。トヨタはテスラのスポンサーだと思われているようだ。実際、工場用地などの件を考えると、もはや「さよなら」は言えない状況。
いずれにしろロードスターの仕上がり具合を見ると、新車時から「最後の仕上げはオーナーが楽しんでくださいませ」のロータスより一段と厳しい。クルマ作りって、一般のメディアの人が考えるほど(電気屋さんに代表される新規参入企業でも作れる、と真剣に思っているようなのだ)甘くないです。
おそらく今後の展開は決して順風満帆とならないだろう。最後はトヨタが引き受けることになるかもしれません。上手に引き継げば美談になる。その場合、18650電池周辺の技術は、全く関係なし。2015年くらいになれば電気自動車専用の高性能電池がたくさん出てきていると思います。
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