スバルは案外体力ある!

アメリカで新型レガシィが好調な売れ行きだと聞いたので調べてみたら、価格を見てびっくり! 日本だと220万5千円の『B4 2、5i』を、195万円(2万995ドル。1ドル93円で換算)で売っているのだ。しかもサイドエアバッグやクルーズコントロール、CD付きオーディオは標準装備。

ツーリングワゴンはアメリカ仕様に存在しないため、日本と共用ボディを使う『アウトバック』を調べたら、これまたB4と同じ装備内容ながら223万円。日本の『2、5i』は267万7500円である。厳密に書くと、日本仕様のみアルミホイールになるけれど、サイドエアバッグやクルコン、オーディオの方が有り難いです。

先代レガシィB4の価格は『2、5i』で202万7千円。ミッションは4速AT。新型のミッション、日本と同じCVTです。ボディを大きくして、ATをCVT化して、さらに値下げしたのだから売れて当然かもしれません。参考までに書いておくと、ほぼ同じ装備内容を持つアコードの2、4Lは、FFでレガシィB4の10万円高。

この価格を見ての評価は三つ。まず「アメリカ市場を重視した新型ながら、価格を下げな
ければ売る自信が無かったのね」というもの。実質的に5%も安くなってます。二つ目に「コンパクトなボディでいながら高い価格を付けて頑張る、というCクラスや3シリーズのようなプレミアム路線をアメリカ市場でも諦めた」というもの。

三つ目が「思ったよりスバルの価格競争力は高い」。新型レガシィをこの価格で売れるなら、韓国車とガチで戦ったって勝負できる。というか驚くべきことに、4WDだということを考えれば、すでにアメリカ仕様の現代ソナタ(FF車で新型レガシィの1000ドル安。インテリアなどそれなり)のベーシックグレードより安い。

クルマ好きからすれば、最初の二つを見てがっかりするだろうけれど、ライバルメーカーや、専門家からすれば、三つ目の価格競争力に「凄い!」と驚嘆しているんじゃなかろうか。こんな景況の中、生き残ることが最良のチョイスなのかもしれません。景気良くなればスバル魂を継承する若い世代が頑張ってくれると考えます。

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5 Responses to “スバルは案外体力ある!”

  1. ゴン より:

    アメリカでのスバルブランドは高い評価ありますね。そこに追い撃ちを掛けるような値下げ…
    不況のさなかとは言え、完全にスバルのマーケティング勝ちかも知れませんね。
    これはトヨタにおける、プリウスのマーケティングに近いものがありますね。
    HVと高級路線はトヨタ、AWDはスバルで確固たる地位の将来に向けての戦略かも知れませんね。
    これだと、あのホンダでさえ、中途半端なブランドになり下がる可能性があるような気がします。

  2. ijiok より:

    アメリカは分りませんが、欧州ではプリウスが日本円で400万位。日本よりかなり割高です。
    それなら、広さと安さでレガシーを選ぶでしょうね。

  3. まつもとちえこ より:

    NAこそCVTを積んだものの、エコ減税もハイブリッドもアイドルストップも多段ATもデュアルクラッチもない。日本の値段も決して安くない。
    基本性能を磨きあげましたと言っても、水平対向4WD(+ターボ)だけでは、たとえサイズアップしなくても日本ではあまり売れなかったと思います。
    アメリカをメインターゲットに変更したのは、企業の選択としては正解だったんでしょうね。

  4. hiro_hosono より:

    確かに随分と割安ですね。
    初代のレガシーが登場した頃、同じく初代アコードワゴンと、レガシーGTワゴンで、余り価格差が有りませんでした。
    片や4WDのDOHCターボ…片やFFのSOHC、全く話しにならないと思っていたところ、5年後に見ると、レガシーは相当ガタが来て、10年後には目も当たれらない位ガタガタになったのに比べると、アコードの方が遥かにシッカリとしていました。そして、その辺りが、アメリカでの人気の差でもあるのだと思います。
    今回のモデルチェンジで、シャシーからエンジン、トランスミッションまで大幅に手が入っていますが、それを考えると、この価格は驚異的とも言えますが、5年後にどうか…?コレは今のところ何とも言えません。
    先代レガシーも今、随分とアチコチにガタが来てますよ。

  5. hiro_hosono より:

    >>これだと、あのホンダでさえ、中途半端なブランドになり下がる可能性があるような気がします。
    ソレは無いと思います。
    確かにスバルは一部では支持されているものの、アメリカの様に距離を走る国では、絶対的に耐久性に欠けています。
    10年20万キロ走った車を、普通に修理しながら乗る様な国では、スバルは維持費が高くて大変なんです。
    トータルの耐久性では、ホンダの方が遥かに上で、それ故に日本以上に高い評価を得ているのです。
    あと、以前徳大寺先生が、スバルは少々高くても支持されるプレミアムブランドになる以外に生き残るのは難しいと仰っていましたが、今回の方向性は、その逆を行くものですね。

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