タカタのエアバッグ問題、まだ続きそうな雰囲気

民事再生法が適用されるタカタのエアバッグに、新たな問題発生か? これまで吸湿剤をセットしてある2008年以降のインフレータは安全だとされていた。ところが吸湿剤付きのインフレータをアメリカで270万個も新たにリコールしたのである。吸湿剤付きも危ない可能性が大きい。

ここまで読んだだけでタカタの問題点を三つも指摘出来る。まず吸湿剤。インフレータは密閉されており、本来なら吸湿剤など不要。吸湿剤が必要になるなら密閉されていないということになる。そして密閉されていなければ、やがて吸湿剤だって機能しなくなるだろう。

二つ目は「2008年から解っていた」というもの。タカタのエアバッグの危険性が顕在化したのは2013年。トラブル発生は2008年で、その直後からタカタは吸湿剤を入れ始めている。つまりその時点で危険だと言うことは認識しており、対応まで行っている。顕在化するのは5年後。

三つ目が「吸湿剤入りも危険」だという点。今回の270万個は日産とマツダ、フォード向け。吸湿剤の素材に『無水硫酸カルシウム』を使っているタイプで、他のメーカー向けの『合成ゼオライト』と違うそうな。不思議なのは、この2つの吸湿剤、性能に付いちゃ大差ないこと。

タカタの大きな問題点は「情報を出さない」。問題出すことについちゃある意味「仕方ない」と思う。誰にだって、どんな企業にだってミスや失敗は避けられない。その際、どれだけ正確な情報を出せるかだろう。自動車は「財産」に「命」を乗せている。正直であって欲しい。

だからこそVWのように情報を隠したり、自動車メーカーの「リレーアタックの取材拒否」が不信感になってしまう。タカタについていえば、チャイルドシートの設置場所についてなんどもやりあった。タカタは根拠無しでどんな車種であっても後席の中央がベストと言い切り全く譲らなかったです。

エアバッグは多くの人のケガを低減出来たと思う。2008年の時点ですぐ対応していれば、ここまで大きな問題にならなかった。現在、交換用のインフレータが十分にないため、エアバッグの作動をカットするという最悪の対応しかできない。この点に対し、タカタからの謝罪無し。

ここにきて「2008年から吸湿剤無しのエアバッグの全て危険だと解っていたがその時点で情報公開したら大混乱になる。そこで高温&高湿地域で使われていたクルマからリコールを始めた」という話も出てきている。この話を270万台に当てはめれば、最悪、全てのタカタ製エアバッグになる。

 

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