デンソーの燃料ポンプのリコール、タカタのエアバッグ並の規模になってきた

デンソーの燃料ポンプの不具合、2018年に始まる。トラブルの内容を簡単に説明しておくと、燃料を送り込むためのインペラが膨潤し、外側との摺動抵抗大きくなり動かなくなるというもの。燃料ポンプが動かなければ走行中にエンストします。高速道路でのエンコ、命に関わる。実際、エンストしたクルマが出たためリコールになった。リコール台数は世界で1000万台以上!

昨日もトヨタとダイハツ車で60万台のリコールを発表した。ちなみに上はフネの冷却用のインペラ。構造が解りやすいと思う。燃料ポンプ用のインペラはずっと細かく短いブレードになっている。膨潤とは夜店で売っている水に入れると大きくなるカエルのような状況を示す。ブレードがガソリンを含んで膨らみ、外側のケースと強く干渉してしまうワケ。

最初のリコールは2019年1月。徐々に対象が拡大していき、2020年で世界500万台を突破。2021年に1000万台を超えた。今や1500万台も見えてきた。ここまで読んで「燃料ポンプって昔からある部品。なぜ今になって不具合?」と思うことだろう。インペラに問題あるのなら良品を使えばいいだけ。デンソーにしたって対策は難しくないと考える。

しかし! 対策したハズの燃料ポンプにも不具合出てしまう。だからこそ1000万台を超えるリコール規模になった。トヨタもホンダもダイハツも、社内の調達部門で不具合の原因を探っているようだけれど、最初のリコールから5年近く経つのに未だ不具合が出ている。インペラの素材や成形時の温度管理の問題だのと言われているけれど、対策してもまだダメ。

ただ問題出ているのはデンソー製(燃料ポンプ部門は2022年に愛三工業に売却済)だけ。いろんな意味でミステリーです。いずれにしろリコール多いとディーラーの対応がたいへん。怒るお客さんだっている。自動車メーカーからすれば大迷惑だ。今後も燃料ポンプのリコールは続くかもしれない。自分のクルマが対象になったら、すぐ対応を。走行中のエンコは危険です。

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2 Responses to “デンソーの燃料ポンプのリコール、タカタのエアバッグ並の規模になってきた”

  1. 二級人 より:

    樹脂部品に問題が発生するとかなり悩まされます。ケミカルクラックとか環境ストレスクラックがあると、結局は材料を変えるしかなかったような記憶があります。個人的には、翼に樹脂部品を使っているB787には怖くて乗れません。

  2. しん より:

    燃料ポンプのインペラは、PPSという 現在考えられる中で最良の材料を使って、さらに成型~歪取り工程後に最終加工していますが それでも膨潤変形問題からは完全に逃れられていません。
    これ以上を求めるなら燃料油中でのエージングとか金属化しかなくなってしまいそうですが、完成車メーカーがどこまでのコストアップや性能ダウン/消費電力増加を許容するかも課題ですね。
    ちなみに、ポンプロックはポンプ起動時に起きるのが大半なのでアイドルストップをキャンセルするのはリコール対応までの自己防衛として有効と思います。

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