トヨタ、電気自動車の生産増強に向けジェット機の離陸時のようなフルパワーを掛け始めた!
電気自動車のニュースになると必ずやトヨタの出遅れが指摘される。この件、今まで「出遅れ」でなく「タイミング」だと説明してきた。早出ししたって買う人がいないですから。しかも昨日書いた通り、電池のレトロフィットを想定していない電気自動車はエンジン車より短い使用期間でゴミになってしまう。ちっとも環境にやさしくない。
トヨタは「顧客第一主義」のため、顧客のニーズ無いモノは作らないし、顧客が損をするクルマは作らない。そして顧客のニーズ出た時点で「ジャストインタイム」を目指す。必要なら必要なだけ供給するということです。先日発表した納期情報の提供開始など、正しく顧客第一主義から出たモノ。そんなトヨタは電気自動車生産に向け、テイクオフパワーを掛け始めた。
驚くべきはタイミング。今までも電池生産工場を立ち上げる計画を数回にわたり発表していたのだけれど、どれも本格稼働を2027年あたりに置いていた。今年に入って2026年秋くらいまで”マキ”を入れていたが、昨日発表したノースカロライナの工場増設は2025年の稼働開始だという。しかも投資額は59億ドルだったのを139億ドル(2兆850億円)に増やした。
アメリカに於ける電気自動車の販売規制は2026年から始まる。そこにドンピシャ合わせようという動きです。ライバルの出遅れを見てトヨタは供給不足にならないよう生産計画を立てていると言うことになる。佐藤さんとジャイアン、私の予想より5割増しくらいの危機感を持っているように思う。もちろん電池工場だけでなく車体工場も増強だ。
アメリカで2026年に出す電気自動車がギガキャストなど採用した次世代プラットフォームになるかどうかは不明ながら、間に合うとすれば強烈なアドバンテージになると思う。アメリカとほぼ同時に欧州も電気自動車を投入していくだろうけれど、ハイブリッドは絶好調! アメリカもですけど作り切れない状況になっており、今後もニーズ多い。
トヨタの素早い動きを見ていると、他のメーカーは大丈夫なのかな、と思う。電池、外部から買っていたら高いし、エンジンやミッションなど失った分の収益は電池を作らない限り無くなったまんま。そもそも高い電池を使う時点でクルマの生産コスト上がって競争力を失ってしまう。3年後の自動車業界の景色や勢力図は今と随分変わるに違いない。
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ここに来てトヨタの凄さが更に出てきましたね。経済誌なんかに自動車関連の記事を書いていた経済評論家や投資アナリストなどがいかに表面しか見ていないいい加減な奴らかと言うのが炙り出された気がします。
少し前にもあるアナリストと称する人物が、なぜトヨタ株をアナリストは薦めないか、と言う様な記事でトヨタのEVの遅れを理由と挙げていました。逆に言えばこう言う輩は如何に表面しか見ていないかと言うことを証明していますね。国沢氏に限らず自動車好きで興味がある私程度でも、トヨタが出遅れてるとは1ミリも思ってなかったですから。
>トヨタの出遅れ
EVもやる、PHVもやる、もちろん水素もICEも。
これだけ全方位で最先端&最新鋭なのはトヨタだけでしょう。
しかも凄いのはグループ内だけでなくスズキやスバルも仲間に入れてオールジャパンをやろうとしている。
こんなメーカー他には無いでしょう。
ホンダなんかもバッテリーをトヨタと共有化するとか出来ないものかねぇ。
こういう真っ当なことを書いてくれるジャーナリズムがほとんどない事に愕然としています。みんな乗ってる人は分かってることだと思うけどハイブリッドだってEVの一種でBATTERY駆動もします。そんなクルマを世界一規模で生産し、消費している国がなぜEV化に出遅れているのかと。私はトヨタ以外のメーカー経営者も案外ジャーナリズムに踊らされたり、何を選択すべきなのか判断出来ないでいるようにも思います。
キモは、やはりバッテリーの内製化でしょう。パワートレーンを自前でやれないというのは、自動車メーカーとして厳しいと思います。ほんとにトヨタの大局的な視点というか、判断というのは、大したものだと思います。BEVをゴリ押しした欧州は、バッテリーを中国頼みで、いったい何を準備してたのでしょうか。今や中国に欧州市場さえ脅かされつつあり、完全に失敗です。最後に笑うのはトヨタかもしれません。とは言え、時間がたてば、自動車メーカーのバッテリー内製化は普通になるのかもしれません。