トヨタが開発中のギガキャスト、日本製鉄切りと二酸化炭素削減、コストダウンの3兎を追う!
トヨタは共同開発した鋼材の件で突如日本製鉄に訴えられたことに対し、激しい怒りの感情を持っているのは業界なら誰でも知っていること。トヨタの開発陣や経営中枢に聞くと「可能ならすぐ付き合いを止めたい!」。されど鋼材はクルマ作りにとって最も重要な素材。そう簡単に付き合いを止めることなどできない。ただ着々と準備を進めているのだった。
写真/トヨタ
例えばギガキャスト。上の写真にあるbZ4Xのリア周りには主に鋼材をプレスして作った部品が86個必要。基本的に全て日本製鉄など製鉄会社から購入した鋼材を使う。一方、アルミの鋳造で作るギガキャストは部品数1。しかも素材はアルミなので、日本製鉄から購入しないで済む。これだけ大量の鋼材を一切使わなくなるのだからトヨタからすれば万々歳ですよ。
しかも日本製鉄で作る鋼材、今のところカーボンニュートラルにほど遠い。還元に石炭をたくさん使うからだ。日本製鉄によれば石炭還元に変わる技術を開発中というが、当然ながら高価な鋼材になる。そいつをトヨタに押しつけるのは明々白々。しかしアルミ素材なら精錬は電気でOK。再生可能エネルギーでカバー出来ることだろう。加えてリサイクルも電気で済む。
コストダウンは説明するまでもなし。現在の鋼材価格でも20%くらいのコストダウンが出来るという。値上がりすること確実な鋼材との比較だと話にならないです。しかも組み立て工程数も33から1になる! 生産ラインの短縮化や生産時間の短縮は大きなコストダウンを生む。現時点で発表していないものの、この手のギガキャストはリア周りだけじゃないようだ。
その他の鋼材も日本製鉄からポスコに切り替えを考えているというウワサが流れている。トヨタは経営難の際、さんざん叩かれた住友銀行と最後まで付き合うことはなかった。日本製鉄も同じことになると思う。そして結果的に日本製鉄と決別することでコストダウンや今後重要になってくるカーボンニュートラルも追求出来る。日本製鉄にケンカ売られて結果オーライになりそうだ。
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時節柄中にはBMとトヨタを同列に見て「うちの会社を叩くなら報復してやるぜ!」みたいな捉え方する人も居るんだろうなと予想します。
まあバスターされて表沙汰にはならないでしょうけれど。
一応老婆心ながらその違いを簡単に書くと…
BMは懐に後ろ暗いものを抱えており、それを資金力と規模で黙らせていた。
トヨタは普通に商業取引をしている中で日本製鉄に特許侵害で訴えられた上に鋼材の大幅値上げを要求しており、トヨタが満額で受け入れた為、日本製鉄側が英雄扱いされたり、過去最高益や株価上昇で企業価値が向上していた。
私レベルで考えると、いつも贔屓にしていたスーパーマーケットから急に裁判沙汰を言い渡されて、尚且つ商品の大幅値上げを一方的に通達された感じ?
万引きした訳でも、不正会計した訳でもないのにね。
近所にスーパーマーケットがここ一軒しかないから、拒否したら餓え死にしちゃう?
私が対抗できるとしたら、コツコツ貯金して中古車を購入し、隣町のスーパーマーケットで買い物するようになるのかも。
私個人だったら影響力もないので大したことないけれど、トヨタ相手にやってしまうと業績に響くでしょうね。
トヨタにケンカ売ってないけれどいずれ痛い目に遭いそうなのはエネオス辺り怪しいかなと妄想しています。
もっと言ってしまえば石油会社全般ともいえますが。
レギュラーガソリン軒並みリッター180円超えですよ。
原油価格自体は去年6月の1バレル辺り120ドルをピークに現在は70~75ドル近辺とピークから45%程度値下がり。
ほぼ一貫して1年以上原油価格は下がっているのに、ガソリン価格のトレンドは「お察し」です。
原油価格トレンド考えれば政府が補助金を徐々になくす方向なのも一応理解できますが、現状こんなですよ。
でも暫定税率とか二重課税とか政府の収入減なことも手を付けない。
燃料で「グル」ですわ。
ある意味BMより罪深い。
こりゃエネゴリ君だけじゃフォローできないですわ。
国と国との関係が、首相と大統領との人間力に依存するように、会社間の取引も、実は結構担当者同士の考えや能力の影響が大きいと思います。
トヨタと鉄屋さんとの間に何があったかは知りませんが、鉄屋さんも相応の覚悟を持っての取引でしょう。
もしトヨタのアルミシフトを先読みして、トヨタと縁切り前提で利益確保に走ったとしたら、今後鉄屋さんは周囲の信頼を失って、自滅しますわね。残念無念というか、自業自得かと。
ちなみに訴訟の中身と結果も、気になります。