トヨタとテスラの続報

いやいや印象的な記者発表でございました。おそらくトヨタのコンサルタント、素晴らしく有能なんだと思う。まさか豊田社長とシュワルツェネガー知事が微笑みながら並ぶ絵など、こんな早期に実現するなどと思いませんでした。トヨタバッシングの根本はヌーミーだということは何度も書いてきた通り。

一方的にヌーミーの閉鎖を発表し、顔にドロを塗られたシュワルツェネガー知事(=政治)のメンツをキッチリ立てた、と
いうことです。これでトヨタバッシングの収束にドライブが掛かった。アメリカでもう2件くらい「善行」をすれば、豊田章男体勢は盤石なモノになると思います。いやいや素晴らしい!

テスラは『18650』というパソコンなどに使われている汎用のリチウムイオンバッテリーを使っており、すでにパナソニックなどとのコラボレーションを発表している。18650バッテリー、工場出荷価格は1kWhあたり2万5千円程度と言われ、流通価格は1,5kWhのパックで5〜10万円らしい。

テスラが8万円で買っているとすれば、バッテリー価格だけで約290万円ということ。されど豊田社長が「頑張って欲しい」と言うだけで1パック5万円も可能かと。となればバッテリー価格は180万円ということになる。加えてトヨタが持つ回生制動の技術を入れたら、バッテリー搭載量減らしてもOK。

テスラ・ロードスターのバッテリー搭載量、日産リーフの倍以上なのだ。20%くらい減らしたって何ら問題なし。トヨタが電気自動車に汎用の18650など使ったら笑われるだろうが、テスラなら「良いアイデアですね」と評価されるから面白い。18650バッテリー、やがてkWh/3万円になるかと。

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4ドアに見えるがリアハッチを持つ5ドアHBの『モデルS』

トヨタの技術や部品が採用されるのは『モデルS』からになると予想される。最も安価なモデルの場合、ロードスターと同じ18650を6千本使い、250kmという航続距離を持つ。予価は5万7400ドル(約516万円)。全長4970mmというボディサイズ考えれば超魅力的なプライシングだと思う。

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最もバッテリー搭載量多いモデルは483kmもの航続距離を持つ

続いて300万円程度の小型電気自動車も開発中とのこと。このクルマについちゃトヨタの車体を流用することになる方に1000バーツ掛けていい。それにしても良い判断だと思う。トヨタにとっちゃ久々のホームランでしょう! 大いにメディアに取り上げて貰うよう、頑張ったらいいかと。

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2 Responses to “トヨタとテスラの続報”

  1. アミーゴ5号 より:

    トヨタの若社長とシュワちゃん、凄いタッグですね。さすがにトヨタの底力を感じます。
    ただ、テスラとトヨタでは、得るものは随分違いますね。
    テスラは、トヨタのバッテリーと制御技術、そして工場を得るのですから、こんなに美味しい話は他にないでしょう。
    トヨタのメリットは、アメリカでの失地回復に尽きるのでしょうね。下手な広告宣伝やインセンティブよりも、遥かに安上がりで効果的だと思います。テスラ規模ならば、技術流出と大騒ぎしなくても済むし、EVへの取り組みとしては一番インパクトがあるしで、さすがに上手いと実感します。
    これでトヨタは安泰ですが、元をたどれば、トヨタがここまでダメージを受けたのは、アメリカの政治的な活動が触媒となったからでした。
    日産やホンダ等の日の丸メーカーが国際政治の軋轢で火傷をしないように、日本の政治家は猛省して対策を準備するべき!
    今度、なんとか大臣やら総理やら幹事長やらがくっだらない痴話喧嘩をやらかすばかりで、日本のメーカーを見殺しにしたら、メーカーだって日本に馬鹿高い法人税を払う気をなくすと思います。

  2. tm256 より:

    パナや三洋の18650をテスラが使っていること、トヨタのHVやEVがパナソニックEVエナジーのNiMHやLIBを使っていることを考えると、トヨタが18650を採用しないとは言えないのではないでしょうか。
    18650型セルであれ車載用大型セルであれ、EVのキモはリチウムイオン電池自体(信頼性やエネルギー密度などの性能)と、その管理(バッテリーマネジメント)技術です。
    これがしっかりしたものであり、メンテナンスなど考慮した設計を行っていれば、トヨタでも普及価格帯のブランド(例えばサイオンなど)でダイムラーのsmart EVのように18650セル採用EVというのも可能性はありではないかと思います。 何しろ、現在ではLIBセルのコストが桁違いに安いので。
    レクサスじゃあさすがにないかもしれないですが、ハリウッドのセレブもテスラ・ロードスターに乗っていることを考えると、18650=普及価格帯という単純な図式は成り立たないと感じます。

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