トヨタは小松監督とジョイン。ホンダがコマツとジョインしたらさらに楽しくなりますね!
GRのモータースポーツをコントロールしている加持さんがF1の現場に来るようになったこともあり、2~3ヶ月くらい前から「トヨタがF1に復帰するんじゃないか」というウワサ話が流れ始めた。「なるほど」と思わせるそれっぽい記事を載せるメディアも出ていた。確かにVWグループやGMなどF1参戦の道を探っている。しかし私は9月4日に以下のような記事を書いた。
「トヨタは以前のようにチーム作っての参入はないと思う。ただ援助などする可能性は大いにある。すでにマクラーレンとコンタクトを取り、ドライバー育成プログラムをスタートさせている。トヨタがマクラーレンの育成ドライバーのスポンサーをするくらいのことはあり得る。トヨタからF1にステップアップする道が開けます。ホンダが嫌うマクラーレンを選んだの、面白い!」。
F1から手を引く決断をしたのはモリゾウさんで、私はトヨタ自動車の社長になって最初の「素晴らしい判断」だったと思う。トヨタのF1参戦にあたり完全にナメられてましたね。いじめっこが「仲間に入れてやるから」とお金持ちの息子に接近し、さんざん貢がせるようなもの。挙げ句、ホンダにF1開催を巡ったセリを仕掛け、鈴鹿の開催料を大幅に上げてしまった。
魑魅魍魎跋扈する(自分では絶対掛けない漢字を並べてみた。笑)F1から手を引くのは当然だと思う。同じくオリンピックの大スポンサーからも降りたけれど、これまた魑魅魍魎系。良い判断だ。さて。前述の通りレーシングドライバーの夢はF1である。ホンダ系のドライバーなら、チャンスあります。レッドブル(というかホーナー)から無視されたってアストンマーチンがある。
おそらくアストンマーチンの他にもう1チーム供給することだろう。そこにもホンダのシートはある。そのチーム、私はハースかウィリアムスだと予想していた。けれどトヨタがハースとくっついちゃいました。これまた素晴らしい選択です。ハースの小松監督、おそらく長期にわたってチームをコントロールすることになるだろう。采配、抜群だ。成績もしっかり付いている。
ここにトヨタがジョインすれば面白い。来年や再来年の話でこそないけれど、トヨタ系のドライバーがF1に行けるルートを作れる。ハースにしても資金面の余裕を持てるし、ドライバー選びの幅だって広がる。自分のチームで腕利きのドライバーを育てることはモータースポーツ関係者にとって見果てぬ夢だ。ただハースとホンダのジョインは無くなりましたね。
となるとホンダはどこをパートナーに選ぶか? 私としちゃウイリアムスを強く希望したい。こちらはコマツが少なからぬ金額でスポンサーになっている。コマツのことだから来年あたりから技術面での援助も行うことだろう。ホンダにとってみればやりやすいチームだし、そもそも縁だってある。F1第2期の復帰に選んだチームです。いやいやF1がさらに面白くなりそう。
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トヨタの第1期F1参戦の時、私はホンダとはまた違った”日の丸”を見た気がした。トヨタはエンジンから車体設計まで全て自社製で参戦することを選択した。その車両にはパナソニックのロゴが入り、タイヤも途中からブリヂストンとなった。ドライバーも中嶋一貴・小林可夢偉が乗った。それでも表彰台の中央はかなわなかった。そして2009年、トヨタはF1から完全撤退する。
今度のトヨタのF1へのジョインは第1期の時は社長、現在は会長を務める豊田氏が仕切る。第1期の参戦理由はいわば量産車世界1を伺うトヨタがいわばお金持ちの友達と仲良くなりたかった、そして撤退理由は小遣いを断ち切られた(リーマンショックによる)、であったが今回はあまりお金のにおいがしない。トヨタもあの時と違って社長が”GR”を掲げWRCでの活躍もあった。社内のモータースポーツへの情熱も醸成されそう簡単には撤退はしまいと思う。前回のフル参戦とは違い、まずはハースということで慎重な事始めだと思う。
ただ、願うのはなるべく長く続けてほしいという事だ。前回の7年もホンダと同レベルで短いとも言えないが、F1のイメージだけで食っているライバルもいるのだ。トヨタはどの位置まで近づけるのか興味があります。