トヨタIIHSで厳しい
IIHSのスモールオーバーラップでトヨタが、またも厳しい評価を得てしまった。車種はデビューしたばかりの新型カロー
ラ。総合評価で「マージナル」(必要最低限)になったものの、動画を見るとカンペキにAピラー付け根が座屈してしまっており、32cmもドライバー側に入り込んだという。こらもう非常に良くない。
実際、IIHSもキャビン構造については最低評価の「プア」としている。今回は何とかエアバッグとサイドカーテンエアバッグが頭部の激突を和らげているため
マージナルで済んだ。運が悪ければ総合評価もプアになったと思う。参考までに書いておくと、トヨタがスモールオーバーラップ対応ボディで失敗したの、2車種目。
・2014年カローラの動画
1つ目は新型RAV4。キチンと対応し、トヨタとしちゃ「アクセタブル」(何とか合格)を取れると思っていたようだ。しかしフロントタイヤが予想通りにならず(SUVの場合、大きなフロントタイヤをどう処理するかがスモールオーバーラップの大きな課題)、プア評価になってしまった。開発部としちゃ2タコです。
シビックは2012年にデビュー。当然ながらスモールオーバーラップに対応していないボディだった。しかしIIHSのテストが始まると発表されるや急いで開発に着手。ボディを大幅に改良し、2013年モデルで対応を完了し「グッド」評価を獲得している。対応する時間はトヨタの方が1年半くらい余裕あったと考える。
こうなると「なぜトヨタは安全性を確保出来ないのか?」と不思議に思う。いろいろ取材してみたところ、根っこは「決断が遅かった」ということになります。情報不足かと。情報部門がIIHSの真意を汲めなかったため、本社の開発部門や経営陣は危機感を持てず。今になって大慌てで人も技術もお金も投入し始めた。
来年に出るクルマから何とか対応出来るようになるかもしれません。幸い日本のメディアはスモールオーバーラップについてトヨタの批判をする気が無いようだ。
私みたいな評論家に指摘されていれば、スクープにもならぬ。この間に対応を急いだらいい。出来れば米国で売る車種は日本仕様も対応ボディにしてください。
<おすすめ記事>